30代が聴くロック〜やっぱ自分の踊り方で踊れば良いんだよ〜

第6回「FIJI ROCK FESTIVAL

2003/11月 at大根家

 

お「はい、じゃあ6回目ね。フジロックね。しかしこの間のピーズは何のリアクションもなくてよ」

さ「そのうち来るよ」

お「いや、来ねえよ」

さ「関君は読んだけど「もう予想通りだからよ」って「そのまんまじゃねえかよ」って・・・「何の発展もねえよ」って」

お「もう飽きられちゃってんのかなあ?」

さ「うん・・・しかし1年目の天神山は凄かったよなあ」

お「行ってねえじゃん」

さ「いやあ、ホント凄かった」

お「行ってねえじゃん・・・それより「たま川」ですよ」

さ「あ?ラーメン?」

お「ラーメン。いやあちょっとビックリしたよ、マジで」

さ「良いでしょ?なんか」

お「良い良い。凄い良いよあそこ」

さ「そのさ、なんか変なラーメンマニアとかが絶対スルーする店構えだもんね」

お「うん。あの店構えでまずやられたよ。基本的に食券ってダメなんだけどさ、全然アリだなあそこは。立ち食いソバ感覚だもんね、なんか」

さ「テプラでさ、なんか色々貼ってあるんだよな。「椅子はお引き下さい」とかさ」

お「ちょっとうるせえんだよな、いちいち。でもマジで美味かったよ。何だろうね?あれ、経営が・・・弟子、弟子とか師匠とかいないんでしょ?」

さ「脱サラで始めたらしいよ」

お「そうなんだ。いやあ目黒「麺 たま川」だっけ?」

さ「うん。あそこら辺ラーメン屋いっぱいあってさ」

お「いっぱいあるよね。激戦区なんでしょ?」

さ「うん。そん中で1番地味だもんね」

お「うん。地味。あの辺なんか・・・あの下にある有名な店何だっけ?」

さ「勝丸?」

お「勝丸。あそこダメなんだよ。ダメっつーかさ・・・」

さ「オレ六本木の勝丸なら入ったことあるけど・・・」

お「いや1回目黒の勝丸食ってみようと思って入ろうとしたらさ、店主がいきなり従業員の中国人怒ってんだよ。「そんなんじゃオメエ客が逃げるだろ」って。オメエの態度の方逃げるっての。何も食わないで出て来ちゃった。すっげえ気分悪くて」

さ「その点渋谷の「もつ八」はよお完璧だよ」

お「凄いだろあそこ、やっぱり」

さ「凄い動きなんだよ。無駄が1個も無いんだよ。ちょっと気持ち良いんだよ、見てるだけで」

お「美味いしね」

さ「うん」

お「何食った?ポテトサラダ食った?」

さ「ポテトサラダ食わなかった」

お「え?食えよあそこでは。モツ煮食った?」

さ「モツ煮食った」

お「モツ煮美味いよなあ、あそこの」

さ「あそこのオヤジが最高なんだよ・・・「すいませーん」とか言って混んでると無視とかされんじゃん。あそこのオヤジ5人くらい抱えてても絶対無視しないんだよ」

お「あそこ、全ての飲み屋が見習うべきだよ」

さ「新人の女の子がいてさ、オレが「すいませーん」て女の子に言ったのにさ、オヤジが「チラッ」っとちゃんと対応出来てるか「チラッ」っと確認するんだよね。それを見た時「最高だ」って思ったな」

お「以外とすげえ厳しかったりしてな。オマエが言ってたんだっけ?「テーブルの高さも最高だ」って」

さ「うん」

お「ホントそうなんだよなあ。生とかも小っちぇえんだけどさ、以外とアレ位がちょうど良いんだよね。冷たいうちに飲めて」

さ「あそこ良いよ。すっげえ落ち着く。混んでたよでも」

お「混んでても落ち着くよね・・・」

さ「・・・フジロックか」

お「フジロック」

さ「いやあ、天神山は凄かったよ」

お「だから行ってねえっつうの」

さ「2回目お台場でさ」

お「それも行ってねえじゃんっつーの。ミッシェル出たやつだろ?」

さ「うん・・・なんかさ、夏にフェスをやるってのがイヤでさ、ロックンロール・オリンピックとかさ」

お「ああ」

さ「それが、3回目の・・・」

お「99年」

さ「99年だったっけかなあ・・・」

お「99年・・・ですよ」

さ「99年か。全てが始まったのはな・・・ああ、この話何回もどっかでしてるから、もう感動もなにも・・・大根が店に電話してきてな。「フジロック行かねえ?」って普通に」

お「違う違う、気になってたんだよ97年の時から」

さ「ああ、そうなんだ」

お「そうなんだよ、レッチリとか出てたしさ。それでWOWWOWかなんかでその97年のやつ見たんだよ。2日目中止になっちゃったけど」

さ「あ、それビデオ持ってるなあ」

お「その映像すげえじゃん。雨ん中で。こんなの日本であんのお?とか思っちゃってさ。凄いショックで。レッチリだったかなあ、レイジだったかなあ・・・これホント凄えなあと思って。「次の年行こう」って思ってたらお台場になっちゃって」

さ「豊洲な」

お「豊洲。豊洲だったら行く必要ねえなあと思って行かなかったんだよ。その時も結構凄いメンツだったんだよね・・・それで、99年はさ、まあね色々ね、公私共に色々あってさあ、あの頃は。ちょうど30ですよ。30んなって仕事も私生活もなんか色々あってさあ。塞いでたわけですよ、だいぶ」

さ「だってよお、オレと大根もそんなアレの前とかはさ、仲良くなかったっつーかさ、1年に1回くらい何かのきっかけで飲むくらいだったもんねえ」

お「そうそう」

さ「ココロのキャッチボールなんかとれてないカンジだったもんねえ」

お「つーかねえ、たまたま・・・7月の後半だよねえ、たまたま仕事がフッと空いたんだよ、5日間。それで急に空いちゃったから「アレー」とか思ってたまたまインターネット見てたら「今日からフジロック」とか出てたから、フジロックかあとか思ってさ、んでさ、別にオマエ誘おうと思ったわけじゃないんだよ、実は。角田と行こうと思って。角田に電話して「フジロック行かねえ?」っつったら「えー・・・オレはちょっと・・・」とか言って、電話の向こうでなんか角田が「薩本さん、大根さんがなんかフジロック行こうって言ってますよ」とか言ってて「えー薩本かよー・・・」とか思っててさ」

さ「2人じゃ会話とかも成り立たないもんな」

お「そうそう、あの頃はな。そんでそれが意外と即決なんだよな。角田が「なんか薩本さん行くって言ってますよ」って。「ええっ!」って・・・」

さ「どんなだったかなあ・・・「とりあえずちょっと待って」って言ったんじゃなかったかなあ」

お「そうだっけ?」

さ「うん。急に「行こう」って言われてもさあって・・・ちょうどその頃、温花家最低迷期でね」

お「ああ、店もね」

さ「うん・・・何も無い・・・給料も無いみたいなさ。もう煮詰まってさ」

お「給料月5万だよな」

さ「うん。全てが煮詰まってるっていう・・・」

お「あーお互いそういう時期だったのかねえ」

さ「うん・・・そんで、じゃあ「行く」って・・・角田が「生きなよ生きなよ」って・・・」

お「角田にとってはちょっと厄介払いみたいなとこあったのかねえ」

さ「なんか暗っかったからなあ」

お「お店の中が?」

さ「うん。「もーダメだな」みたいなカンジで・・・」

お「そうそう、そんで「なんか薩本さん行くって言ってますよ」とか言ってさ、「ええっ!」って。それでオレは家だったからすぐ用意して。オマエ1回家帰ったんだっけ?」

さ「そうそう。「ちょっと待ってて」って家帰って」

お「朝10時くらいだよな、たぶんな」

さ「うん。そのー・・・イメージとしてはさ、業界人大根から電話来てチケットとかもう用意されてて・・・」

お「無え無え、全然無え」

さ「そんで、大根が2人でオレに行こうって言うわけないから、業界人が5人くらいで行くののついでに誘われたのかなあ、とか思っててさ、そういうイメージで」

お「違う違う、全然違う」

さ「で、洗面用具と靴下とパンツとTシャツと1枚づつリュックに入れて・・・凄いカッコしてたもんなあ」

お「何の予備知識もないからな、フェスっていうものに対して」

さ「ニセ3本ラインのジャージにTシャツで・・・そんで大根が店に迎えに来たらよ、大根1人なんだよ。「マジ?大根と2人で行くのかよ」みたいなさ「ありえねえ、ありえねえ」って」

お「あの頃なんでそんなに仲良くなかったんだろうねえ・・・」

さ「うーん・・・まーそれで大根が野澤の会社に向かってさ。「あー野澤が来るならアリか」と思ってさ」

お「あー・・・野澤どのタイミングで誘ったかとか思い出せないんだよな。たぶん薩本と2人っていうのがオレもたしか辛くて「えー誰かいねえかなあ」とか思って、普通にサラリーマンで勤めてる野澤っていうな・・・会社に電話して「フジロック行かねえ?」って・・・」

さ「そんで、ちょうどその頃角田が温花家の2階に住んでたから、野澤が行くってんで「アイツ着替えとか無えよなあ」つって角田の押入から靴下とかパンツとか引っぱり出して」

お「アイツは普通に朝スーツで出勤してるからね。普通に。勤め人として。勤めるつもりでな」

さ「そんで会社に迎えに行ったら「なんだよ!なんだよ!フジロックってよお!」って嬉しそうにさ。「黒板の予定表の自分の欄に『フジロック!』って書いてきちゃったよ」とか言ってさ」・・・カッコ良かったのになあ」

お「あの頃はな」

さ「で、車乗って・・・霞ヶ関から乗ったのかな」

お「そうそう。野澤の会社が赤坂だから、野澤拾って。つーかどー行くかも知らないよーな状態で。とりあえず越後湯沢らしいくらいで」

さ「野澤は車の中でネクタイ緩めながら「おいおいどーすんだよ!オレスーツじゃねえかよ!」って。「ダイジョブダイジョブ、角田のパンツとか持ってきてやったからよ」って。「おいおい!角田のパンツは履けねえよ!」とか言いながら携帯で直ちゃん(当時の彼女、今の奥さん)に「おう、オレ今どこにいると思う?フジロックよフジロック。フジロックに向かってるとこよ」なんつってな」

お「「シャレんなんねえよ」とか言いながらな、アイツな」

さ「「拉致よ。こっちは拉致よ」とか言いながらな。嬉しそうに」

お「カッコ良かったのになあ、あの頃の野澤君」

さ「車ん中で角田の服に着替えて」

お「そうそう」

さ「そんで靴が無くてよお、革靴なんだよ。ちょうどトランクに大根のジム用のスニーカーが・・・」

お「スポーツジム用のな」

さ「それ無かったら革靴だったんだよ」

お「それもダセエやつ。「オマエ革靴でいいよ」とか言ってたんだよな」

さ「半ズボンに革靴ってスゲえよな・・・」

お「そんで、当時オレハイスタが好きで、ハイスタが出るってのは知ってて、CD車に積んでたんで「野澤、大丈夫だよ、こんなバンドも出るから」って聴かせたら「ホッ!最高」とか言って・・・あー思い出してきた」

さ「そんで越後湯沢降りたはいいんだけど、どっち行くかわかんないんだよな」

お「まずな」

さ「料金所のオヤジに「苗プリってどっちですか」って訊いちゃってな」

お「あの辺から楽しくなってきたんだよな」

さ「トンネルとかな」

お「三国トンネルね」

さ「「ホントに出れんのかよ!」って」

お「直線10kmな」

さ「で、着いたら夕方くらいだったんじゃないっけ?」

お「違う違う。そんなじゃないよ。15時位じゃない?ちょうど着いた時にハイスタが終わって・・・いや、つーかさ、なんかあの山登ってる景色でハイテンションになっていったんだよな?「なんかスゲーよココ」とか思って。で、ポーンと見えるじゃん、途中で。フジロックの会場が。あそこでちょっとポーンと抜けたカンジだったんだよな、オレ。まず」

さ「オレ高速走ってる時、なんかイメージで高速の脇でやってると思っててさ。「どれどれ?」って。高速走りながら「なんか聞こえねえ?」とか言っちゃってさ」

お「そんな近くねえっての・・・そんでプリンスの駐車場止めて、あん時ユルかったよなあ」

さ「違うんだよ、ジャガーでビヨ〜ンって行ったから明らかに出演者だと思われてたんだよ」

お「「お疲れさまです」ぐらいで・・・」

さ「そうそう「どうぞ」みたいなカンジだったもん」

お「ユルかったなあ、あれ・・・で、着いてもどこかわかんないんだよな」

さ「うん「なんかあっちみてえ」とか言って」

お「なんにも持ってなくてね」

さ「なんにも持ってない。手ブラ」

お「敷物くらいあったのかなあ?」

さ「そうだよ。トランクにねえ、1畳くらいの敷物が乗ってたんだよ。それだけ持って行ったんだよ」

お「ビニールシートな」

さ「それだけだよ、荷物」

お「で、当然招待券なんかも無くね。普通にチケット買って」

さ「そうそう。ほんでよ、ダフ屋がいたんだよな。でなんか余ってて「安くていいよ」つってるのに大根がよ「それ違うって。ちゃんと当日券買おうぜ」とか言っちゃってさ」

お「「フジロック精神に反する」とか言って。来たこともねえのに」

さ「あん時金無かったから、とりあえず店の金を5マンくらい持って出掛けたんだよ。野澤も「あれ?チケットは業界のアレじゃないの?」とか言って」

お「全然」

さ「しかもダフ屋が安く売ってくれるっつーのに・・・」

お「野澤そこでちょっとふてくされてたけどね・・・ほんで、入った時にちょうどハイスタ終わりで」

さ「半ズボンチームがみんなこっちに引き上げて来てて」

お「そうそう。いなくなったねえ、ああいうの、ちょっとね。みんな同じカッコしてたよな」

さ「チェックの半ズボンみたいのね」

お「うん」

さ「着いて何してたんだっけ?」

お「そんでとりあえずよくわかんないから、なんかホラ、全体図みたいなのさ、ステージが3つ4つあるみたいなの見てさ・・・何処に位置とったんだっけな、まず」

さ「2日目の事は憶えてるんだけど・・・」

お「とりあえずその日の夜の、オレ的には「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」出るっつーからグリーンステージにいたんだなとりあえずな・・・」

さ「大根が「スゲーの出るから」って・・・それ見たのは憶えてるよ。始まる前とか凄くてよ。前の方行ったらよ、始まる前からみんなジャンプするんだよ。で、オレと野澤もジャンプしてるんだよ」

お「知らないのにな」

さ「野澤が「ヘイ!ヘイ!」とか言ってさ。「マジかよお」って・・・」

お「その辺は初体験なカンジだったよな、アレは確かに。なんか「凄え」とかなったよな。全然出て来なかったんだよ、たしかレイジが。10分くらい。その状態になっても」

さ「それまで何してたんだろうね?憶えてないな」

お「なんか普通にビールとか飲んでたんじゃねえかなあ。あ、たぶんグリーンのね、えーっと、オレらがいつも位置取る右後方の方にいたんだよ、たしか」

さ「そうなの?」

お「その辺にビニールシート敷いて、ほんでダラダラビール飲んでたんじゃなかったかなあ、たしか。なんかブラッククロウズとかいうバンドが出てて、なんとなく見てたんだよな。ホワイトとか行かなかったもんね、よくわかんないから」

さ「うん。行ってない・・・あれ?イースタンユースはその日じゃないっけ?」

お「イースタンユースは2日目。民生とかが1日目で、ハイスタとか」

さ「あー民生最初の方だったんだよね」

お「邦楽のオレらが好きなロック勢はみんな終わってて・・・」

さ「・・・そんでレイジ終わったらもう夜で、あん時は「バージンテント」ってのが・・・」

お「そうそう、今のレッドマーキーのとこにな」

さ「ディスコみたいになってて、横にメシ食うところがあって・・・すんごい飲んだなあ、気が付いたら3時くらいんなってて、その間なんにも憶えてないもんな。大根がテントで踊ってるのは見たけどな」

お「ああ、踊ってるの憶えてる。ブンブンサテライツですよ。新潟から来てたブスなOLナンパしてな、野澤が。そこに変な外人が合流してなオーストラリア人の」

さ「で、なんかはぐれはぐれんなってて、3時くらいにやっと3人揃って「どこ行ってたんだよ」みたいなカンジでやっと会って「戻ろうぜ」って・・・大根の会社の人だっけ?」

お「後輩。放送作家やってたヤツ、後の野猿メンバー。そいつが彼女と来てて、苗場プリンス泊まってて、結構広い部屋だったから「泊まれますよ」とか言って・・・苗プリ泊まったのあの時だけだな、今思うと」

さ「4時くらいに寝てな」

お「なんかすごい・・・すっごく楽しかったのよオレは、なんか、ワールドレストランとかが・・・あん時たぶんもう、バンドとかじゃなくて「楽しいぞココは」みたいな「バンドとかど−でもいいや」みたいな」

さ「よく知んねーし。外人」

お「あん時、薩本君ちょっと弾けてたよね」

さ「うん。弾けてた」

お「そんで、帰る時野澤が・・・」

さ「そうだ」

お「野澤が」

さ「ずっとケツ出してんだよな」

お「そうそう」

さ「「野澤ケツ出せよ」とか言ったら、ずっとケツ出しててさ」

お「2kmくらいな」

さ「そうそう、もうベロンベロンだからさ、ずっとケツ出してて」

お「ホテルのロビーまでケツ出しててさ」

さ「・・・そんで3時間くらいしか寝てないんだよね」

お「そうだね、4時くらいだもんね、ホテル帰ったの」

さ「ほんで起きたら無茶苦茶2日酔いでよお・・・やっべえって・・・そんで朝食行くんだけど」

お「とりあえずメシ食おうって」

さ「野猿の人から朝食券貰っちゃってな。そんで納豆とかこんな一杯持って来ちゃってお、喰えないのに」

お「バイキングだからな。喰えもしないのに。ソーセージとか10個くらい残しちゃって」

さ「そんで2日目。会場に向かってる途中でいきなり野澤がゲロ・・・「ビュヒャ〜」って」

お「朝飯食っちゃったからな。さっき食ったモンそのまま出しちゃってよ」

さ「んで二日酔いのまま、「苦しい〜」って言いながら会場行って、したら太陽が凄くて、左側に救護テントみたいのがあって・・・」

お「あれもう無いね」

さ「無いね」

お「救護テントじゃないんだよ。あれ誰でも入って良いんだよ」

さ「ああ、そういうのがあって、そこに3人潜り込んで「気持ちワリー」って・・・ビールとか飲めないで水とか飲んじゃって、朝から、斜面のテントで」

お「全然体育座りなカンジでな」

さ「もう満員でさ。そこに入っていって人の目を気にせず自分達の陣地を広げていくっつー行為がオレ初めてだったからさ」

お「おっさんみたいなね」

さ「そう。つーか気持ちワリーからさ」

お「なんか知らないけど1時間前くらいに着いてたんだよね。始まるまでさ」

さ「そうそう。「ウー・・・」とか言ってたら、1番がスカパラだったんだよね」

お「そうそう。そんですんげー天気良かったんだよね」

さ「うん。そんでドラムが達也でさ」

お「まず達也が出てきてね」

さ「「うわー達也がそこにいる」と思って前の方行ったらガラガラでさ」

お「今考えられないね。スカパラで前ガラガラなんて。あの頃はまだ洋楽ファンが多かったんじゃないかな。来てるの」

さ「そうだね」

お「スカパラ、今もやってるけど、あの時「ルパン3世」とかやりだすとスゲー盛り上がって、達也がすんげーカッコ良かったんだよ」

さ「達也もココまで来たんだっつー・・・苗場までさ、それが感動しちゃってさ。スカパラとかよく聴いたこと無いんだけどさ、前の方行ってさ、気持ちよくてさ。初めての感覚がさ・・・こんな気分になったこと無いなあっつーさ、何なんだろう、アレ」

お「前の日は夕方近かったからね」

さ「うん」

お「あの辺からだよな、ホントに。いいぞフジロックっての」

さ「そのあと山塚アイだっけ?」

お「ボアダムス」

さ「うん。それが全然「わかんねえ、わかんねえ」ってカンジなんだけどさ・・・」

お「ノイズだからね。朝からノイズ。二日酔いの体に悪いカンジでな。でもなんか良いみたいな」

さ「うん。あと山塚アイでグリーンステージっつーのが・・・わかんねえ。でも盛り上がってるっつー」

お「だんだん二日酔いも回復してきてね」

さ「そんでテント抜けて、その1畳のビニールシートに男3人背中合わせで体育座りしてたの覚えてんだよな。いい年したおっさんがさ。そんくらいからまたビールを飲み始めて」

お「んで・・・どっちが先だっけなあ?UAだっけ?イースタンだっけ?」

さ「UAじゃん」

お「UAか。ああ、UA結構早いスタートだったんだよな」

さ「グリーンステージってさ、前の方行って後ろ振り返るともの凄い景色なんだよな」

お「いわゆるアーチスト目線のな。山がドカーン。人がドーンみたいな」

さ「スッゲーって・・・で、トンボがたくさん飛んでてな・・・名場面だよな、アレな。ステージの横にでかいモニターがあってさ。そこに映るUAのマイクにトンボがずーっととまっててさ」

お「ずーっと動かないんだよな」

さ「誰もがそれが気になってて・・・その曲が終わった時、UAが「自然って良いよね」っつったんだよなあ・・・泣いたなあの時」

お「涙ドーンみたいな。最高の場面だね。「自然って良いよね」・・・「イエース!」みたいな・・・あそこだね、きっとね」

さ「あの瞬間だな」

お「確信したのはね。野澤はその時まだグダグダしてたんだよ、たしか」

さ「で、そのあとKINKSの人が単品で出ててさ、見ないでイースタンユース行ったんじゃないかなあ」

お「そうそう。そこで初めてグリーンステージから移動したんだよ。今頃「もう1個ステージあるみたいだぞ」みたいな」

さ「あ、それでその途中に川があったんだよ」

お「そうだそうだ」

さ「で、そん時はまだ人も疎らなカンジで・・・入ったらよお、すんげー冷たくてな。二日酔いが一気にブッ飛ぶくらいの。「冷てえっ!」とか言ってよ。「よし誰が1番長く浸かってられるか競争しようぜ」とか言って・・・やってたなあ」

お「はじけたなあ、あの時」

さ「「うう!冷てえっ!うう!・・・」とか言ってんだよな」

お「30過ぎのオヤジがな」

さ「周りの目も「バッカじゃない?」っつーカンジでさ」

お「「つーか頭突っ込んでみ」とか言ってさ」

さ「それが気持ちよかったんだよね、これまた。二日酔いだったからさらに良かったのかなあ」

お「あの辺、まさに文字通り「色んなものが流されていく」カンジね、澱んでたものが・・・今思うと」

さ「んで、イースタンユース行って・・・大根さ、最初さ「後ろで見てるわ」とか言ってさ、オレと野澤は前の方行ったんだけどさ、もの凄くてさ。「こんなんなってんだ!」って。初めて「モッシュ」ってモンを体験してさ・・・あの・・・「たとえば僕が死んだら」でちょっときたでしょう?大根は」

お「ちょっときた」

さ「で、最後に吉野が「空が暮れる前に」つって「青すぎる空」・・・大根がダイブしてた」

お「ダイブした」

さ「さっきまで「後ろで見てる」つってたヤツが」

お「初めて・・・ダイブは初めてじゃないけど、ダイブで送られて初めて黒人に、黒人のセキュリティーに抱きかかえられるカンジね。一気にはじけたな。イースタンも名ステージだよね」

さ「うん」

お「ホワイト全然入ってなかったもんね。人少なかったんだよな、今思うと、全体的に」

さ「少なかった。すげー少なかった。その年、もうフィールド・オブ・ヘブンあったんだけど行かなかったんだよね」

お「行かなかったんだっけ?」

さ「うん。帰ってきてから「なんかアッチ良かったみたいよお」って噂をきいてさ」

お「ああ。それでイースタン終わって、その当時トイレが少なかったから、ホワイトの横のトイレとかすんげー混んでてさ「いいや、奥でしちゃえ」とかいって山の中入っていったらさ・・・」

さ「○○○してたてんでしょ?」

お「そうそう。変なハタチくらいの小僧が5人くらいで○○○してて「あ・・・どうも・・・どうすか?」とか言って誘われちゃって、「あ、いいすか」なんつってさフジロック最高!みたいなさ・・・で、もう1回川行ったんだよな」

さ「川最高・・・で、「リーバイスステージ」っつーのがあったんだよね」

お「あったあった」

さ「くるりが出ててさ」

お「どこだっけ?どこにあったんだっけ?」

さ「どこになるんだろう・・・キュウリ食ったよね?」

お「キュウリ食った」

さ「だだっ広いコンクリートの広場があってさ、1番奥にステージがあって、両脇がズラーっと屋台になっててさ」

お「バージンの・・・」

さ「奥かな」

お「今思うとレッドマーキーとワールドレストランのあの辺の作りがさ・・・」

さ「あ、そうかそうか、レッドマーキーの場所なんじゃないかな」

お「うん」

さ「そうだそうだ、たぶん」

お「くるり出てたんだよね」

さ「くるり出てた。ぜーんぜん客とかいなくてさ・・・イスとかもなくて、コンクリートの広場のド真ん中にあぐらかいて「キュウリ50円」とかいって「うまそうじゃねえ?」とかいてポリポリと・・・」

お「しかもあんまうまくない・・・」

さ「そう。イメージではバキバキに冷えたキュウリが・・・温いんだよな」

お「「やっぱ田舎のキュウリはちげーよ」とか言うつもりだったのが、全然普通のキュウリなんだよな」

さ「うん。で・・・ケミカルか」

お「うん。そのあとまたグリーン行って・・・すげーんだよ、ケミカルとブラーだったんだよ」

さ「寒くなってきてね」

お「ちゃんとした格好してなかったからね。前の晩は暖かかったのかな、たしか」

さ「うん。なんもストレス無かったもん。長袖とか持ってなかったもんね」

お「持ってなかった。半袖だったもんね」

さ「Tシャツしか持ってなかったよ・・・ケミカルで野澤がボッキしてな」

お「そうそう」

さ「寝ながら」

お「寝ながらな」

さ「「気持ち良いよお〜」って・・・」

お「あれも結構ケミカルファンには伝説なんですよ。オレ達気付いてなかったけど、流れ星がビュンビュン飛んでて」

さ「そうなの?へえー」

お「ケミカルで流れ星っていうのはヤバイよ。野澤のボッキっつーのも・・・」

さ「あながち」

お「あながち・・・わかる気がするんだよな。アイツ全然知らなかったじゃん、ケミカルなんて・・・ビンビンになってたもんな、なんか知んないけど」

さ「そんで毛布とか借りてきたんじゃなかったっけ?」

お「えーそうだっけ?」

さ「大根が「毛布とか貸してっから借りて来いよ」つって・・・無かったのかな」

お「無かったんじゃねえ・・・あん時天気が良くてよかったよ、マジで」

さ「ブラーの途中で帰ったんだよね、たしか」

お「そうそう・・・大成功だったんだよね、3年目でやっと」

さ「そんで帰り中目黒の「中吉」でラーメン食ってな」

お「あーそうそう。すんげー楽しかったな」

さ「野澤どこ住んでたんだっけ?あん時」

お「野澤あそこだよ」

さ「駒沢?」

お「駒沢じゃねーんじゃね」

さ「久が原?」

お「久が原」

さ「どっちでもいーんだけどさ」

お「アイツのことなんか・・・そうだよ、オマエ送って野澤送ったんだよ、たしか」

さ「いやー帰ってくるまではね、今思うと「楽しい」って思うんだけどさ、現場ではさ、何かよくわかんなかったんだよね。こっち帰ってきて2〜3日経ってから、なんか「あれー?何だったんだ?スゲー楽しかったぞ、そういえば」って急に・・・現場ではそんなに気付いてなかったんだと思う。あとからジワジワジワジワきたんだよな」

お「薩本的にはホントに好きなバンドがイースタンしか出てなかったからね」

さ「そうね・・・とにかく帰ってきてからのショックがでかくて。で、フジから帰ってきたら、北海道でもう1個フェスやってるっつー」

お「ライジングサンな。その年初めての」

さ「そんで大根と野澤が「それ行くべ」ってなって」

お「つーかもー「フェス最高」ってなっちゃってたんだよな」

さ「しかも全部邦楽」

お「ほとんど知ってるバンド」

さ「んで関君が加わって、オレが行かなかったっつー」

お「そうそう。かみさんと里帰りしてたんだっけ?」

さ「うん」

お「ずーっとしつこく誘ってたんだけどな。「オメーがいなくてどーすんだ?」みたいなこと言って」

さ「「金出してやるから」まで言ってたもんな。「金か?金なら心配するな」って。「いや、そうじゃなくて」って」

お「「オマエのためのフェスじゃん」とか言ってな」

さ「ちょうど長崎、五島列島帰って、一時長崎から北海道に飛ぶっていう計画も立てたんだけど、さすがに嫁にも説教されて」

お「「ちょっといいかげんにして」みたいな?」

さ「うん」

お「嫁はどうだったの?フジロックに対して」

さ「当時?」

お「うん」

さ「まーべつにオレが「楽しい楽しい」つってたから「楽しいんだなー」って思ってたくらいで・・・」

お「まーそれで3週間後くらいに北海道で「ライジング・サン・フェス」っていうのがあって、伝説のね。出演者を挙げると、UA、ギターウルフ、サニーデイ、スーパーカー、ハイロウズ、椎名林檎、電気グルーブ、ドラゴンアッシュ、ナンバーガール、ブッチャーズ、ブランキー、プリスクール、ミッシェル・・・」

さ「凄いね」

お「あとゼッペットストア・・・これだけいらなかったけど。とにかくありえねえメンツだった、もう。すっげえ楽しかったなあ、これも」

さ「シークレットがマッドでね」

お「シークレットがマッド」

さ「1時間おきに長崎に電話してきやがってよお。「今だれ、今だれ」って。明らかに野澤なんかデロデロに酔っぱらってたもんなあ。14時くらいで」

お「もっと早く酔っぱらってたよ。12時くらいで。普通に3人で飛行機乗ってね。あの時、薩本がいないっつーことはオレ仕切りだったんだよなあ、きっと。全部、レンタカーの手配とか。チケットとかどうやってとってたんだろうなあ」

さ「飛行機はね、大根の何らかのラインでとってたよ」

お「ああ、会社にいたコか。ダンナがANAかなんかに勤めてて。ああ、そうかそうか、帰省の時期で全然とれなかったんだ。無理矢理とらしたんだよ。そうかそうか、思い出した。まーそれは薩本君参加してないから。省略としてね。すんごく楽しかったっつーことで」

さ「うん。で、フジロック4年目、オレ達にとって2年目か」

お「2000年?2000年はどのメンツで行ったんだっけ?」

さ「4人。もう4月くらいからホームページをチェックしてよ。なにかっつうとミーティングとかいって集まっちゃってよ」

お「フジロックミーティングだ」

さ「そう。呑み行ってよ。それまで関君とオレ、疎遠になってたんだけど」

お「ああ、ケンカしてたからね」

さ「ケンカっつーか、まあ疎遠になってて、そのミーティングで久々にみたいな感じで。大根と関君が飲んでるところに呼び出されて、大根が「関がよお、ライジングサン楽しかったって言うんだよ」つって」

お「ずっと寝てたくせにな。薩本と同じパターンで「帰ってきてから凄く楽しかった気がする」って」

さ「それで「じゃあ行こうよフジ」みたいになって。「フジの方がもっと面白れえから」って。ネットで情報収集して「大人4人で行くんだから完璧なスタイルで行こう」みたいになっちゃったんだよな」

お「金かけようみたいな」

さ「そう。だから買い出しが凄かったんだよ。3人で行った北海道チームの残りモンが多くて、タープとか・・・」

お「そうだ。その北海道もほとんど手ブラで行ってて、オレら大人だから現地調達とかいって」

さ「それで要らねえモン捨ててくるみたいな」

お「なんだっけなあ、でっかいホームセンターみたいの。千歳から会場に向かう・・・そこですんげー買っちゃって。そんでタープは持って帰ってきて、イスとかホントに捨てて来ちゃったんだよ。だって500円とかなんだもん、イス。テーブルは持って帰って来たんじゃなかったかなあ」

さ「うん。テーブルはあった」

お「そんで来年用に温花家に置いておこうとかいって」

さ「そんでその年から「テントサイトにしよう」っつって・・・」

お「え?2000年はみんなで行ったんだっけ?」

さ「うん。4人で」

お「あ、そうかそうか、搬入したモンな、みんなで」

さ「テントとかオレお台場まで買いに行ってさ。何度も。出発の午前中にも最終買い出しとか言って、野澤と買いに行ったたもん」

お「行ってた行ってた。なんか仕事とかで・・・何時集合だっけ?昼集合くらいだっけ?」

さ「うん・・・大根がギリギリだったんだよ。お台場から大根に何回電話しても「うるせえよ!ガチャン」って。「会議してんだよ!」って。その年は大根のジャガーに4人乗りだったんだよ」

お「そうだそうだ」

さ「すんげー荷物でさ。そんで、ちゃんと前夜祭からっつーことで」

お「そうだそうだ前夜祭から行ったんだよな」

さ「昼集合で」

お「木曜日の昼集合だな」

さ「関君を品川で拾って来て、オレと野澤は2人でお台場行って買いモンして来て」

お「野澤、超ヤル気マンマンでな」

さ「そう。パジャマとか持って来ちゃってよ」

お「フジロックなのに、しかもテント泊まるってのにな」

さ「そう、パジャマ持って来てんだよ」

お「すんげー荷物持って来てたよな、アイツ」

さ「荷物でけえんだよ、1人だけ。なんかよお、シャンプーとか色んなセットみたいのとか持って来ててさ」

お「あれ?なにメインだ?その年の・・・そうかその年はブランキーとミッシェルか」

さ「そうそう」

お「ブランキー、ホントのラストライブね」

さ「うん。初日の金曜日ね」

お「前夜祭とかあんま覚えてねえなあ」

さ「前夜祭ね、オレテントサイトの上の方に立ちションしに行ったら、ちょうど花火が上がってさ」

お「結構良い位置にテント張れてね」

さ「うん。その頃さ、今みたいによそはテントとか張り切ってなかったから、俺達は金に物言わしてたから、テントとかもでかくて庭みたいのまで作っちゃって、テーブルとか置いて。通る人が「ここすごーい!豪邸!」とか言っちゃって。「あたりめーよお」って」

お「貧乏な若者を尻目にな」

さ「前夜祭はKEMURIとか」

お「あーそうだ。KEMURIFISHBONEがジョイントしたんだ。まーほとんど呑んでたんだよね」

さ「うん」

お「初日は、朝のうちちょっとバラついてたんだよ、たしか。グリーンの1番手、FISHBONEで、そん時初めてタープもっていってさ、絶妙な位置取りで。あ、違う、最初奥の方に張ったんだっけ?」

さ「初め奥だった。その、道の後ろね。俺達が行った1年目はタープなんて持って来てるヤツほとんどいなくてさ、パラソルくらいでさ。そんで2000年はやっぱみんな少し利口になってきてさ、タープとか持ってくるヤツも増えてきてさ、それでも全然規制とか無かったからどこに張ってもよかったんだよね。ここから前はダメとか無くて。任せますって感じで。だからブランキーん時は後ろに張ってたの覚えてる」

お「そうだそうだ。MD換えに行ったんだ。で、その、タープ張ってる時、清志郎の「田舎へ行こう」が流れてきてさ・・・」

さ「そうだそうだ、大根が買い出しに行ってたんじゃなかったっけ?あれ?違うな、それ2日目だな。あれ?ブランキーん時は前?」

お「違う違う、後ろ」

さ「あれ?」

お「野澤がさ「ノザッチュ」とかいって作ってたじゃん」

さ「あ、そうかそうか」

お「ペットボトルの焼酎持ち込んじゃって。本格的呑みのスタイルになっちゃって」

さ「あ、そうかそうか。ポッカレモン買ったんだけど瓶だから中田の写真が付いたスポーツドリンクのペットボトルに詰め替えて「中田のレモン」とか言っちゃって。「おう野澤、中田のレモンも入れてくれよ」とか言っちゃって」

お「自分で作るのめんどくさいから「ノザッチュ作ってくれよ」とか言って」

さ「そう言うと野澤がゴキゲンでな、作ってくれて」

お「「ノザッチュ最高」とか言って」

さ「大根がブランキーのラスト、MDに録るよう頼まれててね」

お「そう。まさにこの型のMDウォークマン」

さ「そう。それで音良かったからオレこれ買ったんだもん」

お「そう。染ちんだ、スタイリストの」

さ「ブランキーん時、すげー混んでて、大根を先頭にオジサンが3人電車みたいに肩に手をかけ進んで行くんだけど、大根がすんげー前まで進んでっちゃってよ「こんな前まで来たら死んじゃうんじゃないの」って思ったよ」

お「すんげー臭いヤツとかいてな」

さ「生まれて初めてダイブしたよ。「BABY BABY」で」

お「あ、最後ね」

さ「うん」

お「ここしかないぞって所で」

さ「うん。今しねえと一生しねえだろうなと思って」

お「どうだったの?初ダイブは?」

さ「なんか興奮した。みんな優しかった。前で黒人が待ってて。で脇から帰って」

お「何回でも出来るんだよな。アトラクションだよな、あれ」

さ「で、そのままタープに戻ったら関君が「薩本ダイブしてるとこモニターに映ってたよ」って。そこの映像だけまだ公開されてないでしょう?」

お「あー「BABY BABY」だけね」

さ「公開されるとオレ映ってると思うんだよね」

お「あのブランキーは良かったねえ」

さ「うん」

お「BIJん時の照井のシャウトね。ちょっとどうかと思うくらいの」

さ「録音が良く出来ててね。売ろうと思っちゃったもんな」

お「でもオレらの下らない話が入っちゃってるんだよ。「ダイブしたなあ」とか」

さ「スマイリー原島のMCとか・・・そういやスマイリーネタもあったなあ。フジロックといえばスマイリー。アイツから始まんないと始まんない」

お「オープニングMC。スマイリーとポーキー」

さ「アレ聞かないとちょっと始まんないもんね」

お「あんま面白いこと言わねーんだよな。ゴミはちゃんと捨ててとか。自分のことは自分でとか」

さ「まーそれで1日目は終わって」

お「呑みに行って」

さ「それで大根だけ3時頃「呑みに行ってくる」とか言って1人で行っちゃって、それで朝起きたらテントの前に大根のゲロがあんだよ」

お「あーそうそう。レストラン行って、オマエら先帰っちゃったんだよ。それでオレ「SINGO2」って出てたじゃん、それ見ようと思って、それ見るまでにベロベロに酔っぱらっちゃって・・・」

さ「起きたらよお・・・それも入口の真ん前にな。「ここにすることねえだろ」ってとこにな。「これじゃ自爆だよ自爆!」って」

お「いや1回寝ようと思って・・・それでガマン出来なくてテントから顔だけ出してやったんだよ。酔っぱらってゲロ吐いたのあれが最後かもしんないな」

さ「2日目とかは・・・あんま覚えてないねえ」

お「覚えてないねえ」

さ「とにかく、タープを前に移動してさ、すんごい良い場所でさ、山になってて、こんなトコに張っちゃっていいのかなあってくらい前の方に張っちゃったんだよね。何も言われないしさ」

お「そんで2日目は、朝シナロケ見に行ったんだよ」

さ「そうだっけ?」

お「そうだよ。フィールドオブヘブンに」

さ「あ、そうだそうだ。昨夜の今日でな。照ちゃんがな、コーヒー買っててな」

お「鮎川さん見に来ましたってな感じでな」

さ「握手してもらっちゃってな」

お「そうそう」

さ「そん時にちょっと雨降ってたな。グチャグチャだったもん」

お「「昨夜最高でした」とか言っちゃってな」

さ「大根が走って近付いて行ったら急に殺し屋の目になったもんな。なんて言うんだろ、顔は笑ってるんだけど目が笑ってないのな。「なんだコイツ、殺すぞ」って目だったもんな」

お「そんなことねえよ」

さ「前の方にテント張って、野澤がケツとか出してたんだよ」

お「野澤の顔に落書きとかしてな」

さ「ほっぺに「B-T」とか書いてな、油性マジックで」

お「全然気付かないんだよな、アイツ」

さ「寝てる野澤おいて、どっかのステージまで3人で行ったら、野澤、顔に落書きしてあるの知らないで、1人で俺達探しに来ちゃってな、BUCK-TICKメイクで。まー、でトリがミッシェルで、フィールドのトリがソウルフラワーで、どっち見る?って」

お「あ、そうかそうか」

さ「ソウルフラワー見てえんだけど、タープで寝っ転がりながらミッシェル見るっていう」

お「タープの位置が良かったからね」

さ「そんでミッシェルのセットリストがバカみたいにヒット曲ばっかでさ」

お「そうそう、すげえ良かったんだよあん時」

さ「「GT400」出したあとで」

お「最初のライジングサンとそん時のミッシェル良かったんだよなあ・・・ってそれだけしか見てないんだけど、ミッシェルって。ま、その間ソウルフラワーもミッシェルも野澤はずーっとBUCK-TICKメイクでな」

さ「そんで・・・帰ったんじゃなかったっけ?3日目いなかったでしょ」

お「3日目いなかった。民生見た記憶があんだけど、フィールドで」

さ「あ、ミッシェルの前だ。そのままフィールドでソウルフラワー見るか戻るかで戻ったんだ」

お「フィールドすげえ人で、オマエら先戻っちゃったんだよ。民生が最後にあれやったんだよ、始め人間ギャートルズの。かまやつの「なんにもな~い」ってやつ」

さ「あ、そうなの」

お「あとルパンの。「足下に〜」っての。そんな曲普通やんねえなあと思ってさ」

さ「両方ともオレが昔やってたバンドのレパートリーだ。センスが一緒だ・・・あの頃民生なんて全く興味なかったんだけど、1曲目のPAFFYの「あーなーたーにー」ってのは良かった」

お「あー「海へ」だ」

さ「ちょっと良かった・・・なんか変なヤツがさ、フィールドのテント張ってるロープに登っちゃって、知ってる?」

お「知ってる知ってる」

さ「ウザくてよお・・・」

お「あの年のフジは楽しかったよね」

さ「うん。1番・・・なんて言うんだろう・・・規制も緩くて・・・俺達も準備した分、返ってきたっつーか、元取れたっつーか」

お「4人揃ってたしね」

さ「んで3日目見ないで、車で、大根と関君が前で、関君がずーっとエロ話してて・・・」

お「アイツずーっと喋ってんだよな」

さ「オレ眠いんだけど、聞いてると聞いちゃうし、寝てんのか聞いてるのかわけわかんなかったよ」

お「アイツはオレが寝ないように気効かして刺激的な話をしてたんだよ。ちょっと優しいなコイツって思ったもん」

さ「すんげー面白かったなあ。そんで先に市川行って関君降ろして」

お「そう、ものすげー疲れたんだよ、あん時。ちょっと帰り不機嫌になるくらい疲れたんだよな。なんか野澤にカチーンと来る一言があったんだよ」

さ「温花家でオレ降りたあと険悪な雰囲気で2人で帰っていったもん」

お「関降ろしたあと、オレが道に迷っちゃって、そん時に野澤がフッと起きて「なに?まだ着かねーの?」とか言ったんだよアイツが。すっげー腹立ったんだよな」

さ「ずーっと寝てたくせにな」

お「苗場からそこまでずーっと寝てんだよ、まあそん時もBUCK=TICKメイクなんだけどさ」

さ「で、その年、2000年はフジロックミーティングでフジとひたちなかに行こうってなってたんだよ。で、ひたちなかは大根が仕事で来れなくて」

お「そうだそうだ」

さ「ひたちなかはつまんなかった」

お「特に語ることもなく」

さ「うん」

お「タープ盗まれたり」

さ「あんだけ揃えた備品が全部盗まれちゃって。その日のうちに全部買い直した。ひたちなかの「ジョイフルホンダ」行って。買い直した途端、雨降ってきて・・・」

お「フェスより1日目あとの呑みが楽しかったんだろ。普通の」

さ「そうそう。20時終了とかねえよ」

お「な。それがなんかこうアレなんだよな、あそこ。先にフジとか知ってるからさ、まあ高校生とかは嬉しいんじゃない?逆に。そん時誰行ったの?薩本と?」

さ「野澤、関夫妻、長縄、あとなんか関後輩か何かのカップル・・・そいつらは別行動だったけど・・・まあ、で、2001年第5回フジロック」

お「オレら的には3年目ね」

さ「で、その年は前夜祭から3日目まで全部」

お「あ、そうだ。でもメンツ的にはピンと来てなかったんだよね」

さ「うん・・・誰出てたかなあ・・・ああオアシスだ。オアシスの年だ」

お「邦楽勢がパッとしなくて」

さ「俺達も煮詰まってきた感じで」

お「そうね、人も増えて来ちゃって」

さ「バンドで言うと4枚目のアルバムみたいな」

お「ちょっとフェスを楽しむ方向性に煮詰まってる感じの」

さ「金に物言わすのも拍車がかかって余計なモノがどんどん増えてさ。フットワークがどんどん重くなっちゃってさ・・・その年は関君のでっかいバンで」

お「オレそん時ドラマやってて全日参加するつもりだったんだけど行けなくて」

さ「そうだそうだ、思い出した」

お「前夜祭から行けなくて1日目の途中から行ったんだよ」

さ「そうだそうだ。で、3日目は帰っちゃったんだよな」

お「そう、中2日だけ」

さ「それが良かったって。3日目とか苦しかったんだよ。その年でもうフジロックやめようって思ったんだよ」

お「あれだよな、前夜祭にコブラが出てて・・・」

さ「あ、そうだ」

お「野澤が・・・」

さ「そう、ガラガラのレッドマーキーで1人ノリノリで「ノーノーノーノーフューチャー!」って。1人で。前夜祭で。それ終わった直後に「オレのフジロックは終わった」って。まさに「ノーフューチャー」・・・」

お「前夜祭で。まだ始まってねえのに」

さ「そんで1日目、去年みたいに前の方にタープ張ろうと思ったら・・・」

お「規制が厳しくなってて」

さ「「通路より後ろじゃないと張れません」って。なんかボランティアの高校生の兄ちゃんに「マジかよお」って野澤がからんじゃって。かわいそうにさ。「ふざけんなよ」とか言っちゃって」

お「弱者に強いからな、あいつ」

さ「で、後ろになっちゃって、野澤はずーっと寝てるし、関君はずーっと本読んでるし」

お「オレがね、1日目の昼くらいに着いたんだよ。車どっかその辺に置いて、薩本に迎えに来てもらって・・・ベンジーのなんだっけ?」

さ「シャーベッツ。弱い邦楽陣で数少ない見るバンドだったのに、なにもこんな時に「迎えに来て」って電話してくんなよって。変な苗場から車で10分くらいのだだっ広いパーキングみたいなトコに大根が車止めてて、迎えに行ったら「おーいココだよー」って手振ってて」

お「1日半車止めっぱなしでな」

さ「で、大根は2日目で帰って」

お「うん、いやでもこの年はもう本当に最悪だったよ。ちょうどこの頃撮ってたドラマの現場がトラブル続きで最悪でさ、フジロックん時はちょうど担当回じゃなかったから行けたんだけど十二指腸潰瘍になっててさ、二日目の昼にウンコしたらさ、真っ黒なんだよ。ハンパじゃなく。もう漆黒ってカンジの黒。邪悪な黒。そんで帰って速攻で病院行って医者にそれ話したら「大根さんねえ、腸内で大出血してますよ、死ぬよ。放っておいたら」とか言われてさ、その直後に当時の彼女にこっぴどいフラれかたしてさあ、完膚無きまでのフラれかた。「二度と会いたくない」レベルの。良いこと一つもなかった。死にたくなったもん、フジロックすら楽しくなくてさ。一日半くらいで帰っちゃうし」

さ「正解だよ。3日目なんてもう疲れ切っちゃって、野澤は脱フジロック宣言するし、関君は「もう来年はマウントフジジャズフェスティバル」のほうだな、なんて行ってるしでホント疲れた。帰った大根がうらやましかったもん」

お「で、2002年はフジやめてライジングサン行ったんだよな」

さ「うん。ギリギリまで野澤が行く行かないでモメて。で、今年(2003年)はフジロックミーティングも無く」

お「鼻から行く気も無く」

さ「オレは・・・なぜか嫁と」

お「フジロックにね。初めて連れてったんでしょ」

さ「うん。どっか旅行に行こうつってて、フジロックだと一石二鳥でいいんじゃねーかと。んで、前みたいな準備万全みたいのはもうイヤだったから、ちょっとフットワーク軽く行こうと思って」

お「下手すると苗プリとるくらいの感じでね」

さ「うん。ホテルはとれなかったから、でもテントとかはもう荷物増えちゃうからイヤで、関君に車借りて車中泊で。これが結構楽しかったんだよね。もう、みんながみんなすんげー荷物運んでる横をカバン1つで。「タープなんか無し!」っつって。1日目はさすがに雨でタープ張ったけど」

お「前夜祭から行かなかったんだっけ?」

さ「1日目から。前夜祭から行くほど気合も無く。チケットも3日分買ったけど帰りたくなったら帰ろうっつー緩い感じで」

お「緩い感じでね」

さ「1日で帰ってもいいしで・・・1日目が凄い雨でね」

お「そうそう。オレ1日目だけ行ったのね」

さ「うん」

お「オレも今年全然行く気無かったんだけど、初日にスチャダラが出るって聞いて、夜にアンダーワールドもあるしなーと思って。イギリスのTHE MUSICってバンドも見たくて。まー1日目だけ。薩本達もいるしなーと思って」

さ「けど一応野澤に電話したんだろ?」

お「いや、ちょっと1人で行くのも寂しいかなーと思って」

さ「車ん中とかな」

お「三国トンネルを1人で抜けるのはやだなーと思って。あっさり断られたけどね。「あ?つーか行かねーよ」って。その電話が野澤と話したの1年ぶりだよ・・・つーかライジングサンの帰りの話はしなくていいの?」

さ「ああ」

お「2002年のライジングサンは、ライジングサン見たあとすぐ帰らないで、1日観光の日をもうけてダラーっとしてから帰ろうよみたいなね」

さ「早朝終わって、すぐ飛行機は辛いからね。昼過ぎに起きて、市場行って魚食って、夜は焼き肉でも食おうっつって探したんだけど、ジンギスカンばっかでな」

お「ジンギスカンはちょっといいよお、つって」

さ「1時間くらい探してたら、野澤君が機嫌悪くなっちゃって。俺達一生懸命コンビニで本とかで調べたりしてんのに」

お「「北海道のおいしい焼き肉」みたいなな」

さ「うん。人に訊いたりしてんのに、野澤君「オレこういうのイヤなんだよなー、もうジンギスカンで良いじゃねーかよー」とか言っちゃって。まあ「オマエらどーかしんねーけど、オレ明日朝一から仕事なんだよ、寝てーんだよ」みたいのがあったんだろーなと」

お「夕方くらいから前兆があって・・・まあいいよ、もうアイツの話は」

さ「帰りの飛行機、オレが勘違いしてて「飛ばねーよ」とか言っちゃって」

お「千歳からな。「遅れる」とか言っちゃって。オレらが乗る便でもなんでもなかったのに」

さ「野澤が「ホントに遅れんのかよ?」って、したら全然大丈夫で「あと10分しかねえよ!」って。「ふざけんなよ!」って」

お「あそこで決定的に機嫌悪くなっちゃって」

さ「羽田着いたら「お疲れ」って・・・」

お「「オレちょっと急いでるから」みたいな」

さ「俺達は「ちょっとお茶でも飲んでく?」くらいの感じなんだけど「お疲れ」って。1人でスタスタスターって。え?そんだけ?って」

お「超ファックだったな、あん時は・・・まあ、わからんでもないけどね。今考えると普通30半ばっつったらさ、夏休みに男同士でフェスなんか行ってる場合じゃねえっつーか。普通に仕事して家族サービスしろよみたいな。海外とかさ」

さ「うん。あの北海道も疲れたなー」

お「疲れたね」

さ「帰って14時間寝っぱなしだったもん」

お「普通にホテルとか泊まってたのにな」

さ「そういう意味じゃ今年のフジロックは全然疲れなかったな。雨とか降って大変だったけど」

お「オレなんか行ってる間ずっと雨だったじゃん」

さ「うん。2日目も降ってたけど、ちょっと晴れ間とかのぞくと「キター」って。3日目はピーカンで。ずっと長靴だったんだけど、3日目で初めてスニーカー履いて」

お「ぬかるんでなかったの?」

さ「ぬかるんでたけどスニーカーで行けるくらいで」

お「まーゴルフ場だからなあそこ。水はけ良いんだろうな」

さ「3日目見ないで帰ろうくらいだったんだけど、すんごい天気が良かったからさ」

お「3日目は誰出てたんだっけ?」

さ「ベンジーとか・・・」

お「JUDE?」

さ「JUDE・・・1日目がMODSとイースタン」

お「あーイースタン一緒に見たね」

さ「うん。2日目が・・・ARB・・・酷かったんだ。3日目はもうステージも行かないで、ワールドレストランとこでずーっとビール飲んでた。すんごい気持ちよかった。帰りの渋滞だけだな。5時間くらいかかっちゃった」

お「オレも1日しか行かなかったけど、楽しかったんだよな」

さ「やっぱ、大根もカバン1つで来てさ」

お「うん」

さ「もうみんなタープだからさ。やっぱイス1つ持って移動するくらいの感じが。たぶん2年くらい経つとみんな気付いてそうなると思うんだよなあ」

お「いやあ、フジはもうあのまんまじゃないかなあ・・・三日目なんかあれでしょ。人多すぎて売ってたミネラルウォーターが全部売り切れてすげえブーイングだったんでしょ。そんで日高さんが逆切れして「水が無いなら川の水飲め!って。まあ、飲めるけどね、あそこの川の水は」

さ「もう準備とかがノルマになっちゃうと楽しめないよなあ。俺達もそんなで2001年とか楽しめなかったんだよ。ああなっちゃうとダメだよ」

お「まあ、そんでな、今年な、秋にな」

さ「ああ、そうだ、朝霧が」

お「来るわけですよ、朝霧JAMが」

さ「初期のフジロックを取り戻そう的な」

お「なんとなく・・・オレもそんなに行く気は無かったんだけど、ちょっとフジロックが雨だったし、煮え切らなかったなーと思って。今年のフェスも終わりかあと思ったんだけど、朝霧ジャムってのちょっと気になるなあと思ってて。そんで薩本誘って」

さ「うん。それも「行くぞ!」的な感じじゃなくて「行けたら行くか」くらいで。チケットも取ってなくて、オークションなんか見つつで。高くなっちゃってて、まあ安めで買えたら行くかって思ってたら、良い具合にとれちゃってな。2〜3日前に」

お「2〜3日前まで諦めてたんだよね。ヤフオク高くなっちゃってて」

さ「うん。そんなの買いたくねーし」

お「「やめっかあ」って言ってたんだよね」

さ「うん。したっけ定価で譲ってくれるオッサンが出てきてさ」

お「オフィシャルBBSだっけ?」

さ「うん。BBS。で、メール送ったら「OK」って。「OK。携帯教えて」しか書いてねえんだよ。ダイジョブかよこれ?って。けど面倒な手続き無さそうだなと。したっけ朝市場行ってたら、早朝7時頃電話かかってきてさ」

お「前日?」

さ「前日。「何枚?」「駐車場は?」「OK」「FAX教えて」って、そんだけ。でその人ん家の地図が送られてきて」

お「オレももう諦めてたんだけど、薩本からそんな電話がかかってきて「とれたよ」って」

さ「どっちでもいいかくらいで行くと良いんだよ。行くぞ!って行くとダメなんだよ」

お「バンドも別に、スカパラとソカベと、オレはケミカルがあったんだけど、そんなもんで。9/2728か。結構朝早めから行ったんだよね」

さ「7時集合で、大根が遅れて、8時くらい出発で」

お「あれ?ああ、前の日が結構遅くて・・・」

さ「大根の会社寄ったり、お茶買ったり・・・」

お「なかなか出発しない感じのな。緩い感じで。テントだけ持っていったんだっけ」

さ「そう、テントだけ。テント無いと寝れないから」

お「軽い荷物でね」

さ「極力減らして。んでチケット受け取りに行ったら、場内駐車場入れるっつーんだよな」

お「そうそうそ」

さ「シャトルバスっつー唯一のストレスが一気に解消され・・・」

お「そこちゃんと説明しとこうよ。朝霧ジャムの不安要素を。駐車場はあるんだけど会場まで遠いんだよな。車一回降りて荷物積み替えてシャトルバスで20分とか「それかったりいなあ」って言ってたんだよな。それでいざ朝霧着いてチケット取りに行ったらその人が持ってたチケットが関係者用のチケットだったっつー」

さ「「これで奥まで入れっから」って言われて・・・ちょっと怪しい感じで。そんで入ってったら駐車場がステージの真裏でさ」

お「そうそうそう」

さ「そんで荷物持って上がっていったらバックステージに出ちゃって・・・」

お「「緩いなあこれ」みたいな。普通にアーティストとかいてさ、「ケミカルブラザーズ様」なんて紙貼ってあったりしてさ、楽屋じゃん!みたいな。「この緩さは良いぞ」って、あそこでちょっと盛り上がってきたよね」

さ「楽しくなってきちゃって。会場も言い意味で狭くて。ポワ〜ンとしてて。トイレなんかも少ないんだけど、立ちションアリだし。お咎めねえし」

お「8000人だもんね」

さ「ビールとか食いもん買いに行くのもストレス無いしさ。ステージ移動も無いしさ」

お「ほぼ真っ正面にテント張れたしな。日高大将ウロウロしててな」

さ「あのジーパンの履きこなしは大将しかいねえぞって」

お「握手しちゃってな。始まる1時間半くらい前にはスタンバイ出来ちゃってたんだよな。飯も美味くてな。フジロックとかだと「缶持ち込み禁止」とかなんだけど、全然そんなの無くてな」

さ「ケースごと持って来てるヤツとかいて。肩に担いじゃって。チェックとか無いんだもんね。けどさ、朝霧とかも今年は8000だけど、来年とか人増やしたりしてだんだんストレスが出てくるかもね」

お「どうなんだろうね・・・けど、今年は俺達の1999年のフジのあの素晴らしさが戻ってきた感じがあったよね」

さ「うん」

お「あ、これこれ!みたいな」

さ「途中から関君来てな。あまりにも気持ち良いから電話したら「今から行く」って」

お「そうそう・・・けどあれだよな、フェスは」

さ「うん。フットワークの軽さだよ。あとニュートラルな気持ちで行かないと」

お「バンドも良かったしね。ポラリスとか、スカパラとか、エゴラッピンとか」

さ「照明とかショボくてな。装飾も地元に人がやったような素人感たっぷりでな」

お「土曜日の夕方・・・スカパラの途中で関君来て、んで夜、ケミカル見て」

さ「写真撮っちゃってな」

お「そうそう、夜ソバ喰いに行ったら、前にケミカルの2人が並んでてさ、エドに「ピクチャープリーズ!」みたいな。世界のケミカルに」

さ「良い写真なんだけど・・・大根は素晴らしい笑顔なんだけど、ケミカルの人が目つぶっちゃってて・・・あれ目開いてたら良い写真なんだけどな」

お「すっごい良い顔してるよな、オレ。ここ今回唯一の写真で」

さ「喜びがはち切れてるもん」

お「どかーんって感じで。楽しーって感じで。良い写真だよあれ・・・あれでもケミカルやる前なんだよな。オマエ寝てて」

さ「うん」

お「気持ち良いんでしょ?テクノで寝るの」

さ「うん。ケミカルっつーと寝るってイメージだもん。99のフジ以来」

お「ボッキはしなかった?」

さ「それは・・・今年のフジのアンダーワールドん時も寝てたもん・・・ボッキは・・・しなかった」

お「夜中、ジョーストラマーの映画とか始まってんだけど、全然人来なくてな。どしゃ降りんなっちゃったから」

さ「うん。周りに音出しちゃいけないから0時終了ってアナウンスだったのに大将が「そんなのウソです、今から映画やります」とか言っちゃって。地元の人も太鼓の練習とかしてて、夜中に」

お「3時くらいまで起きてたんだっけ?」

さ「うん」

お「関とずーっとくだらない話してて。オマエ寝てたんだっけ?」

さ「オレ、21時から0時まで寝てて、そのあと起きてたよ。君達の話がオモロ過ぎて」

お「ずーっと下らない話してたよな」

さ「「深っちゃんカワイイよなあ」とか言って・・・2分位してから「あ、ゴメンゴメン、深キョンと間違ってた」とかよ、わけわかんねえ。で、来年どーすんだよ?フジロック」

お「いやいや、2日目の話しなくていいのかよ」

さ「なんかあったっけ?」

お「ソカベとかよ」

さ「ああ・・・あれ酔っぱらっちゃってな、オレ」

お「ソカベバンド無茶苦茶良かったんだろ?」

さ「うん。良かった。衝撃的に。オレが踊ってたもん。最前列くらいで。デロデロで」

お「確かに良かったよ、あれは」

さ「なんなんだろう、あれは・・・」

お「なんなんだろうね、あれ。サニーデイ解散って全然意味ねえって思ってたんだけど、あれ見てわかったな。ホントに良いステージだったね、あのソカベバンドは」

さ「みんな笑顔で肩寄せ合う感じなんだよな」

お「それでソカベバンド見て帰ってきたんだよな」

さ「うん。渋滞でな。それだけ無ければな」

お「でもホント良かったよ、朝霧ジャムは。99のフジロックが戻ってきた感じで・・・オレ一応野澤誘ったんだよ、今回も」

さ「え?マジで?」

お「そうだよ。全然シカトですよ、あの野郎」

さ「・・・もうこんな感じで良いんじゃない?電車がよ、39分なんだよ」

お「そうなの?」

さ「広尾まで行くのがね」

お「じゃあオーケーよ」

さ「で、来年はどーすんだよ?」

お「どーする?マジで」

さ「開催前日にミーティングで」

お「1日行けばいいんじゃないかな」

さ「わかんねえな・・・そろそろバイクで行くとかどお?」

お「あえてね」

さ「ヒッチハイクとか」

お「もうやめようよ、今までの準備万端パターンは」

さ「いや、朝霧もちょっと荷物多いくらいだったよ」

お「あんなもんじゃない?」

さ「いや、あれでシャトルバスだったら・・・」

お「ちょっときつかったな」

さ「もう小ちゃいテントとか欲しくてな。あんなでかいの要らねえよ」

お「つーことは野澤は要らねーってことだな、結論として」

さ「結論として「水が無かったら川の水飲め」って言った日高大将が正しいっつーことで」

 

                      おわり。

 

次回は「30ロック・特別篇」、友人の岡宗ディレクターとお送りする【神戸震災を体験した男~ありゃあ祭りでしたよ!】です。