「30代が聴くロック〜やっぱ自分の踊り方で踊ればいいんだよ〜」

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第4回
「ブラボージョニーは今夜もハッピーエンド/KENZI」
(1986年リリース・シティロッカーレコード)
03/03/某日 at 代官山の飲み屋

お:大根仁

さ:薩本紀之

さ「えーっと・・・4回目はKENZIで」

お「あれ?タバコ変えたんだ?」

さ「・・・もういいよ」

お「前何だっけ?」

さ「えーっと・・・マイルドセブンライト」

お「・・・今回あんまやる気ねえからよ」

さ「俺も・・・そんくらいの方がちょうど良いよ」

・・・隣の客がうるさい・・・

さ「うっせえよ(小声で)」

お「うっせえなあ(小声で)・・・でKENZIね」

さ「えーっと何からやれば良いんだ・・・初めてKENZIを聴いたのは?」

お「ずいぶん初級編だねえ」

さ「こん位しか思いつかねえよ」

お「なんだっけなあ・・・高2ん時インディーズブームが来て・・・薩本がまだ後ろ髪長かった頃な」

さ「ああ長かったよ、高2ん時は」

お「で、いわゆるラフィンとかウイラードとか有頂天とか中心に聴くようになって、で野澤のクラスに松井君っていうちょっと変わったヤツがいて」

さ「地味ーなな?」

お「そうそう、かなり地味な。もう勉強もスポーツも出来ない、女にもモテない」

さ「全然目立たないな?」

お「目立たない。そいつがなぜかインディーズブームにすごい乗っかってきて、すごいコアでさあ、でもラフィン、ウイラード、有頂天とかはメジャーすぎてダメだとかいう勢いで、変なバンドのソノシートとかさいっぱい買ってたのよ。あれだ、宝島のカセットブックあったじゃん。あれをアイツが真っ先に買って、で「松井が持ってるらしいぜ」とか言って、で野澤が急に仲良くなって・・・」

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さ「えっ?そのためだけに仲良くなったの?」

お「そうだよ。それまで話したこともねえもん」

さ「ひでえな、おい」

お「「アイツ持ってるらしい」っていうだけで・・・なんかバイトとかもしててさあ金持ってたんだよ、そいつが。で使うところがないから全部そういうところにつぎ込んでたんだよ。そいつがなんか色々持って来た中にKENZIがあったのかなあ・・・何か・・・最初何かのオムニバスでその中にKENZIが2曲入ってたと思うんだよ」

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(たぶんこれのこと「THE INDIES LIVE SELECTION 86 to 87」)

さ「インディーズフェスティバルじゃないの?」

お「かなあ?」

さ「けど、あれ結構あとじゃねえか?」

お「・・・で、宝島にもボチボチ出てきてたんだよ、KENZIが。「札幌から来た」みたいな・・・」

さ「「裸足のパンクス」な」

お「裸足でライブやるらしいよ、みたいな。ビジュアルがなんかすげーさあ、いわゆる何つうの、チャーミーとかJUNとかケラとかはさあ、なんかジョニー・ロットンの系譜とはちょっと違うじゃん?」

さ「違うねえ」

お「で、俺らが憧れてたオリジナルパンクスのさあ、いわゆるジョニー・ロットンの感じを全身から発しててさあ、そのKENZIの宝島の写真が。なんつうの、あの猫っぽい感じ。ファッションとかも黒とピンクのボーダーのモヘアっぽいセーターでさあ、それがカッコ良いなあと思ったんだよねえ・・・でそのあとすぐに正に「ブラボージョニー」が出たんだよね。高3のあたまくらいかなあ・・・高2の冬くらいかなあ・・・」

さ「・・・高3の時関君が「OH! MY CAT」持ってたから・・・「OH! MY CAT」の方があとだよねえ?」

お「あとあと・・・高2の時にまだ大学行こうと思ってて、野澤と研数学館の夏期集中講座とか行ったのよ。それ1日で辞めちゃったんだけど・・・野澤君は行ってたのかなあ・・・」

さ「行っただろ」

お「全然言ってることがわかんなくてさあ・・・で研数ってお茶の水だっけ?水道橋だっけ?」

さ「その辺」

お「あの辺にさインディーズ屋があったじゃん、いくつか」

さ「ディスクユニオンとかな」

お「そうそう。研数は行ってなかったんだけど金払っちゃってたから行くふりして、そういう所ばっかし行ってて・・・」

さ「みんな一緒なんだな」

お「で、そん時なんか買った気がするんだよなあ、KENZI」

さ「「MARK YOU」じゃねえの?」

お「いや「MARK YOU」は明らかに3年です・・・まいいや。とにかく高2から高3にかけて。高1BOOWY、高2ラフィン、高3KENZIっていう」

さ「高1BOOWYなんだ?すげえなあ」

お「BOOWYよ。あのベルリン帰りの頃な」

さ「・・・すいませーん。ビールで良いの?・・・ビール2つ下さい」

お「俺、中1RC、中2ARB、中3ルースターズ、高1BOOWY、高2ラフィン、高3KENZIってラインかな。基本はね」

さ「中学は良かったのに高校入ってグッと落ちてんな。高1BOOWY・・・」

お「BOOWYは一時すんごいカッコ良かったのよ・・・あの「B・BLUE」とかあの辺の前よ。いわゆるあのベルリン録音の「BOOWY」っていうアルバム出た頃ね」

さ「顔がこうあるヤツ?」

お「そうそう・・・違う違う、そうれは「MORAL」でしょ」

さ「「INSTANT LOVE」のヤツ?」

お「違う違う、そうれは「INSTANT LOVE」でしょ、セカンド」

さ「・・・知らねえよっ!BOOWYなんて」

お「一時聴いてたなあ・・・」

さ「あっ、KENZIも「青春BABY」でBOOWY入れてたもんなあ。あのアルバムすげえよな、ケンヂが好きなバンドの好きな曲をカバーしてるんだけど、カバーじゃねえんだよ、ただのコピー」

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お「そうそう、なっ?「INSTANT LOVE」・・・でもBOOWYは兄貴からなんだよなあ。だって兄貴、漢字の頃(「暴威」)大好きだったもん。ロフトとか行ってたもん。「すげーバンドが出てきた、あれ絶対売れる!」とか言って」

さ「すごいねえ。早いねえ」

お「うん。今じゃ証券会社のダメダメサラリーマンのくせに、すごい先見の明があったんだよ、当時は」

さ「サラリーマンは大変なんだよ」

お「だって俺が中2の頃よ「暴威すげえ」なんて言ってたの・・・で何だっけ?KENZIか・・・だから高2から高3にかけてラフィンからKENZIに移っていったんだよな俺。ビジュアルがカッコ良かったんだよ、とにかく」

さ「大根がKENZIのライブ見に行って、帰ってきて「KENZIのジーパン何か知ってる?」って、んで「リーバイス?」って、んで「ノーノーノ」とか言っちゃって「BIG JOHNなんだぜ」って言ってたの覚えてんなあ」

お「「ノーノーノー」とは言わないよ」

さ「「一番前まで行って確認してきたからよお」って」

お「何つうのかなあ・・・ちょっと外す感じがあったじゃん、KENZIって」

さ「うんうん」

お「ブラックスリムジーンズとかじゃなくてさあ・・・ちょっとダボっとしてたじゃん?」

さ「うん」

お「だから高2の3学期くらいにたぶん「ブラボージョニー」が出たんだよ。それを俺ら金無くて買えなくて、サッカー部の伊津美ってヤツが買ったんだよ」

さ「ああ・・・キチガイな」

お「あの自転車泥棒。アイツがなぜか買ったとかいう噂が流れて、「ええっ!」って。それまで全くそういう所で生きてないヤツが。何を勘違いしたのかアイツが持ってるんだよな」

さ「松井しかり、伊津美しかり、地味な人間が・・・」

お「惹きつける何かがあったんじゃないの、インディーズブームに。伊津美の自転車の盗み方知ってる?」

さ「「カーン」ってやるんじゃないの?」

お「そうそう。万能カギとかじゃないんだよね。カバン中にカナヅチ持っててさあ、あのキーボックスごと「カーン」ってやるんだよね。俺3回くらい立ち会ったもん、その場面に」

さ「ホント悪いヤツよ、アイツは」

お「何団地だっけ?」

さ「行田団地。見かけとか普通なんだよな?」

お「そうそう」

さ「ああいうヤツが一番危ねえよなあ」

お「学校でも2台盗んだし、塚田の駅でも3台盗んだし」

さ「本物のワルを惹きつけるんだ、KENZIは」

お「いやあ、でもすごいアルバムだなあって思ったねえ」

さ「うーん、いまだにすげえよ」

お「ホント語られること無いけどねえ。そのロック雑誌のよくあるジャパニーズロックヒストリー企画とかでとか、インディーズヒストリーの中とかでもさあ。まず出ないよねえ」

さ「うん、すごいよあれは。聴いた回数とかすげえ多いもんなあ」

お「「エレカシ2」に次いでるな俺。「ブラボージョニー」って何か知ってる?」

さ「知らねえ。えっ?知ってるの?」

お「うん。アメリカのアニメのキャラクターなのよ」

さ「へえー」

お「一昨年くらいにスカパーでアニメばっかりやってるチャンネルでやっててさあ」

さ「へえー」

お「ホントは「ジョニーブラボー」っていうんだよね」

さ「へえー」

お「なんかわかんないけどひっくり返して使ったんじゃないの・・・でも「ブラボージョニー」聴いてからはほとんど一色だったねえ・・・で、薩本は?どういう風に聴いたの」

さ「俺は高3の時、関君が「OH! MY CAT」持っててそれで。なんかだっせえジャケットだなあと思って・・・」

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お「ああ、あの白堀りのスタジオでね、みんなでしゃがんでるヤツね」

さ「そうそう、後ろにネエちゃんがいて、それをどうやって落とすか前で企んで会議しているっていうね」

お「そうそう」

さ「ダセエって・・・」

お「そう?俺ジャケットもむちゃくちゃ食いついたけどなあ」

さ「「何だこれ?」って・・・で、部室行ったら大根の・・・」

お「部室の説明しないと」

さ「部室っていうのは、あのー・・・俺は最後の方しか出入りしてないんだけど、学校に馴染めない人達が集まるっていう、ハンドボール部と卓球部が一緒の部室で、昼飯の時とか教室で飯食うのがイヤな人達が集まってた所ね」

お「西高のオアシスね。高1高2の時は映画研究部の部室だったんだよ」

さ「え?そうなの?」

お「うん。俺とか野澤とか関とか・・・釜堀とか・・・」

さ「ハンドボール部は太田チャンが在籍してたからいいんだけど、卓球部とか全然関係ないんじゃないの?」

お「関係ないねえ。高2の時に映画研究部の部室で麻雀やってて捕まっちゃって、それで「ここはもう使っちゃいかん」みたいになって、カギとか取り上げられちゃって、なし崩しに廃部になっちゃって、まあ映画も1本も撮ってないんだけど・・・」

さ「そもそも映画研究部なんて知らねえもん、誰も」

お「映画研究部って俺と野澤だけだったんだけど、なんか年間で部費が出るんだよちゃんと、10万とかさあ。一応部長だったからさあ会議とかに出てたもん。で、なんか買うって申請しなきゃいけないんだけど、スクリーン買うとか言って10万とか申請して・・・どうしたんだろあの金・・・一応買いには行ったんだよな、野澤と・・・」

さ「その、映画研究部の存在すら知らなかったよ」

お「あったんだよ」

さ「卒業してから知ったよ・・・で、その部室の壁に大根がKENZIの詩をマジックで書いててさあ・・・」

お「「DEAD SCHOOL」な」

さ「そう、「DEAD SCHOOL」。その頃、大根のこととかよく知んなかったけど「ああー、こういうこと書いちゃう人なんだあ」って」

お「「反体制なヤツなんだあ」って?」

さ「いや「壁に書いちゃうんだあ」って。そんだけ思った。で、卒業くらいにメジャーデビューの「FROM RABBIT HOUSE」が出たんじゃないかなあ」

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お「そうだねえ」

さ「あ、それで関君がツバキハウスにKENZI見に行ったんだよなあ。大根も行ってるの?」

お「いや、俺は行ってない。それは高3の冬くらいじゃない?」

さ「そうそう。そんで次の日「今日はとってもバツな日だけど、みなさんでワオワオやりましょう」っていうKENZIのMCを関君が真似ててさあ、KENZI口調で」

お「お前ホントに記憶力いいなあ、そういう細かいとこの」

さ「うん。で「バツな日ってなんだあ?」って・・・んで「FROM RABBIT HOUSE」聴いて、それで「ブラボージョニー」は戻って聴いてる感じだったんだよなあ」

お「リアルタイムで聴いてなかったんだ?」

さ「うん。音源手に入れたのJANISだったもん」

お「浪人時代だな」

さ「うん」

お「すごいプレミアついたんだよな、いまいくら?「ブラボージョニー」って」

さ「いや、もうあんま高くないみたいよ。5000円で・・・」

お「えっ?マジ?」

さ「いやいや、5000円でレコード屋が買い取りますって、だから」

お「2マンくらいか?」

さ「そんなしないと思うよ」

お「一時5マンくらいいってたもんねえ。諸事情で再リリースとかされないんだよなあ。珍しいよねえ」

さ「再発の署名やってるけどねえ、色んなKENZI関係のホームページとかで」

お「アイツが権利持ってるんでしょう?森内淳」

さ「うん」

お「そもそも何レーベルなんだっけ?」

さ「わかんねえ(「シティーロッカー」でした)」

お「すごいよねえ、ホントに音が良いよね」

さ「音良いねえ」

お「1曲目が「ブラーボージョニー」でさ、すごいカッコ良くてさあ、で2曲目に「世紀末CHILDREN」でサックスが入るじゃん、あれがショックだったんだよな。「パンクなのにサックス」って。それがまたすごい合うんだよねえ」

さ「あの曲はカッコイイよ。「青春BABY 2」出るの知ってる?」

お「ああ今度はセルフカバーするヤツ?」

さ「そう」

お「そんなの「ブラボージョニー」の中からほとんど来るに決まってんじゃん」

さ「初期中心って言ってたなあ。で、そのリクエスト受け付けてるんだけどさあ、BBSで。やっぱ「世紀末CHILDREN」は多いねえ」

お「あれ全曲名曲だもんねえ」

さ「うん」

お「次何だっけ?・・・「HONEY DANCE」か。で「爆竹GIRL」・・・「臆病なTERORRIST」・・・」

さ「でB面行って」

お「いや、まだまだ・・・「BAILEY」」

さ「あ、そうか・・・今日の大根強えなあ・・・でB面行って?」

お「んんんー・・・何だっけ?」

さ「なんだよっ・・・「リーダーをつぶせ」」

お「あっそうか・・・で、「衝動」?」

さ「いや「LA-BOO-BABY」、「星空の夜」、で「衝動」・・・「ROCKユN ROCK THE ROLL」」

お「で、KENZIの独特のボーカルスタイルね。あの巻き舌の・・・」

さ「・・・あのー2年くらい前に出たアルバムで「REAL BEAT PUNKへの道」ってのがあるんあだけど、そのライナーノーツでKENZIとか関わった人達が色々コメントを寄せてるのよ。その中でシンイチロウのコメントが、そのアルバムの中に「天気のおねいさん」って曲があるんだけど「「天気のおねえさん」ではなく「天気のおねいさん」ってなる所がKENZIです」っていうコメントでさあ、その通りだなあって」

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お「巻いちゃうんだ」

さ「うん、さすがシンイチロウって」

お「・・・しかしホントカッコ良いんだよなあ・・・」

さ「・・・カッコ良いんだよ」

お「知ってる人が極端に少ないから、ホント伝わんないんだけどさあ」

さ「・・・1回解散して、それでソロとかなって、その頃とかもうダサダサだったじゃん。で再結成して、でもアルバムはずっと買い続けてるんだけどさあ、全然良くなくてさあ、去年「真っ赤な太陽ギラ×4」ってアルバム買ったとき、タワーレコードの地下でやるライブのタダ券もらってさあ、べつにどうでもよかったんだけど、とりあえず見に行ったら、すんげー良かったんだよ」

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お「いまだに現役パンクスで」

さ「そう。参ったんだよ、とにかく」

お「3つ上くらい?4つ?」

さ「そんくらいだろうねえ。で、客とか全然入ってなくて、普通タワーの地下でやるのはアルバム買って抽選とかさあ、そういうのなんだけど、KENZIのはさアルバム買ってなくても窓口行けば券もらえるわけ。俺はアルバム買って窓口行ったんだけどさ、店員が「1枚で良いですか?」って・・・そんくらいなわけよ」

お「昔の曲とかやったの?」

さ「いや、その日はニューアルバム発売のイベントだから、1曲目に「CRAZY SUMMER」やって、あとは全曲ニューアルバム。そのアルバムもそんなに良くなかったんだけど、ライブで見るともう全然良いの。全然すげーの。やっぱKENZIはライブだなと思ったね・・・それで、その年末に屋根裏にワンマン見に行ったら、もう完璧にやられちゃったんだなあ。すごかったんだよ・・・なんだろ・・・歌がすごいんだよ。ちょっと今の若いバンドの人達に見てもらいたいね」

お「そうだね・・・あんな声なのに声帯が太い感じするもんなあ」

さ「ボーカル教室やってるらしいからね」

お「あんなヤツに教えて欲しくねえよなあ。あんなオリジナリティーだらけのヤツに。誰も真似できないっていう・・・俺の初参戦ライブはねえ高2から高3になる春休みに千葉のダンシングマザースに見に行ったんだよねえ。たしか野澤君と一緒に」

さ「行ってるよなあ、大根。ルースターズも見てるしなあ」

お「あ、ルースターズはこの間ふと思い出したんだけど、たしか高2の秋くらいに、当時学園祭とか良いライブいっぱいあったじゃん、で関東学院大学かなんかってある?金沢八景かなんかにある?」

さ「わかんないけど。そこ行ったの?」

お「うん。片道2時間くらいかけて」

さ「そんくらい行くんだよなあ」

お「入場料600円とかだからさあ。で、最初ARBと陣内だったのよ。で、ちょうど陣内が倉本聰に目つけられてた頃で「ライスカレー」に抜擢されて、急遽スケジュールが合わなくなってさ、代わりにルースターズが出ますとかで、えっ!そっちの方が良いじゃんって。大江慎也はいなかったんだけどね。「ネオンボーイ」とかあの辺よ。一人行ってきましたよ、アメ横で買ったモッズコート着て」

さ「俺も学祭でARB見に一人で松戸まで行ったなあ。入場料タダなんだもん」

お「・・・えっと・・・なんだっけ・・・あ、KENZIをマザースで見たの。で、夕方くらいに、リハ終わりにKENZIが外出てきちゃって、外ウロウロしてんの。もう客並んでんのに隣の喫茶店かなんかに入っていって、佐野ちんと。その時KENZIさあ、下はボロボロのジーパンで上がさ、まっ黄色いジャケットなんだよ。カッコイイと思ってさ。ありえねえじゃん、パンクでジャケットって。ちょっと外しが巧いんだよなあ、KENZIって。キャッツアイみたいのかけてたもんなあ」

さ「自分ではカッコイイと思ってんだよなあ」

お「そうそう」

さ「ちょっと外れてんだよなあ」

お「靴もコンバースだしなあ」

さ「コンバース買わなかった?大根は」

お「コンバース買ったかなあ・・・わかんねえ」

さ「俺買ったよ」

お「KENZIの影響で?」

さ「うん。赤のハイカット」

お「白のローカットも履いてたんだよ、KENZI・・・ああーでも伝わんないんだよなあ、これ読まれても全然・・・誰も知らないから」

さ「女子受けしねえんだよ」

お「そうなの?・・・あ、でも確かに男多かった」

さ「うちのかみさんとかも声がダメみたい。そこで分かれちゃうんだよなあ。声だけで。曲とか行く前に。やっぱあの声、ダメな人は全然ダメみたいよ。そういう人多いよ」

お「あのアルバムが埋もれちゃうのは、ホント寂しいよね。独自に配信すれば?温花家裏サイトで」

さ「捕まっちゃうよ」

お「捕まっちゃうのかなあ?いいじゃん捕まっても。パンクだよ。別にそこで金取んないんだからさあ。やれよ」

さ「でもKENZIに「金出せ」って言われたらどうするよ。「KENZIがそんな事言うわけねえよなあ」なんつっててさあ・・・」

お「話せばわかってもらえるよ」

さ「わかんねえぞ。金無さそうだし・・・」

お「その高2から高3の春休みのライブを見て、初めてだね「バンドやろう」と思ったのは。それまでもものすごい好きだったんだけど、俺にはバンドは無理だなと思ってたんだけど・・・」

さ「で、やっちゃうんだ」

お「「脳天ヒューズ」ね。最初は「ブラボージョニーズ」にしようと思ってたんだけど・・・」

さ「それ、ダセエな」

お「「ブラボージョニーズ」に決めかけてた時に「OH! MY CAT」が出たんだよ。「OH! MY CAT」の中のワンフレーズなんだけどね」

さ「「脳天ヒューズが今切られたらどうしよう」って歌詞カード見ないと何歌ってるかわかんないよね」

お「わかんない、あれ」

さ「その、巧いよな。「脳天ヒューズ」とかさ・・・」

お「フレーズが良いんだよ」

さ「言葉のさ・・・「リーダーをつぶせ」とかさ・・・」

お「「UKモドキ」とかね」

さ「そうそう。「爆竹GIRL」とかな。独特だよなあ」

お「椎名林檎のほら、漢字とカタカナと英語組み合わせるのは、ルーツはKENZIなんだよ」

さ「えっ!そうなの?知らねえだろ、KENZIなんて」

お「ルーツはKENZIなんだよ・・・良いフレーズいっぱいあるもんね」

さ「「世紀末CHILDREN」とかな」

お「そうそう。かなり発明があるんだけどね」

さ「途中からそういうの無くなってきたなあ・・・」

お「あのメンツが1番ですよ。「ブラボージョニー」リリース後の「OH! MY CAT」出した辺りが」

さ「ベース・JUN GLAY、ドラム・シンイチロウ、ギター・佐野ちんか」

お「そうそう」

さ「メジャーデビューん時だ」

お「そうそう。JUN GLAYとかホントカッコ良かったよなあ」

さ「アゴ長いしな」

お「アゴ長いし。JUN GLAYってパンクではありえない黒ぶちメガネかけたり、あとさあスポーティーなファッションしてたじゃん」

さ「リストバンドもテニスのな。リストバンドっつうとJUN GLAYのイメージだなあ」

お「汗拭き用のリストバンドな」

さ「俺ねえ「FROM RABBIT HOUSE」出た時、銀座の山野楽器かなんかでレコ発サイン会みたいのがあってさ、あれ?言ったっけ?・・・行ったのさ・・・そんだけ」

お「いやいや・・・握手とかしたの?」

さ「あ、した。そんで、すんげー並んでて、でみんなプレゼントとか持って来てんのよ。俺も何かあげなきゃと思ってね、あれ?言ったっけ?・・・階段に飾ってあったマドンナのピクチャーレコードを袋に入れてKENZIに「これで一発抜いて下さい」って・・・」

お「万引きじゃねえかよ」

さ「いや、売り物じゃなくて、飾り物だから・・・」

お「万引きだろ、だから」

さ「・・・うん。まさか万引きした物をプレゼントされてるとはKENZIも思わないよなあ・・・」

お「高3の夏に「CRAZY SUMMER TOUR」つうのがあってさ、スタートが新宿ロフトだったんだよ。最後もロフトだったんだよ。でその頃もう「俺大学受験しない」って決めてて、バイトとライブばっかでさ、で初っぱなロフト行って、一番良い時だよ、たぶん・・・あれ?ロフトで客全員にソノシートタダだったのかな?・・・」

さ「そうだよ」

お「そうだよね「CRAZY SUMMER」の」

さ「パンフレットも付いててな」

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お「そうそうそうそう、すっげえ太っ腹だよな、でもあれ2年くらいして全然金無い時に津田沼のインディー屋に売っちゃってさあ、5000円くらいで買取りだったからすげえ助かったんだけど」

さ「そのパンフレットに「八田謙二」って書いてあるんだよね、でっかい字で。それで「KENZIって八田っつうんだ」って知るんだよね」

お「で、初日のロフトで客がシンイチロウのこと間違って「シンタロウ!」とか言ってて、みんな大爆笑でさ・・・KENZIが「シンイチロウだよっ」って。で、ツアーラストのロフト行ったらシンイチロウの後ろの壁にさビニールテープで「シンイチロウ」って貼ってあってさ、でっかく。あのロフトのロゴの下に・・・でもシンイチロウってスゲーよな」

さ「スゲーよ」

お「シンイチロウあれでしょ?KENZIとブルーハーツに誘われたんでしょ?」

さ「そう」

お「で、KENZI選んじゃったんでしょ」

さ「大失敗」

お「ブルーハーツは梶くんだよなあ、どう見ても。ビジュアル的に。だって河ちゃんとかぶるじゃん。シンイチロウだったら」

さ「まあなあ・・・でも所得がゼロ2個違ったんじゃないかなあ、その一瞬の判断で・・・すんませーんっ!ギネス下さい」

お「ギネス、ロックだねえ」

さ「ギネスって黒だよね?」

お「黒、黒」

さ「今キリンから「生黒」っつうのが出ててさ、あれ飲んだら飲みやすくて、それでちょっと黒に挑戦していこうと思っててさ」

お「あの「毬花」っていうの不味かったぞ」

さ「いやあれ好きなんだよ、俺」

お「今回はこういうのも入れていこうよ、今までで一番ダメな・・・何のレスもない・・・」

さ「KENZIだしな・・・期待出来ねえ・・・でも大根はKENZIは「RABBIT HOUSE」くらいまでしか聴いてないでしょ?」

お「聴いてないねえ」

さ「大根は大体そうだよね。何でも。RCしかり・・・後期はさ・・・」

お「バンドが失速していく感じに敏感なんだよ」

さ「ああ・・・」

お「あーちょっとダメな感じがするってなると、次の勢いの良いバンドに飛びついちゃうんだよ。ラフィンとかもそうだったね、ラフィンからKENZIへ」

さ「確かに「RABBIT HOUSE」までだもんなあ。そのあと売り上げとかは上がっていったんだろうけどさ。次の「SWEET DREAMS BABY」とか・・・んんーまだアリだけど、次の「SEXユC」とかダメだったなあ。で、森若香織にフラれちゃって・・・」

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お「そうそう、ゴーバンズのね。あれだよね、一回札幌でやってて、東京出てきてダメで・・・その頃からずーっと森若と付き合ってたんだよなゴーバンズも札幌で」

さ「KENZIの前は「スマロ子」ってバンドでね」

お「スマロ子解散した時のことが「裏切りのうた」になってるんでしょ」

さ「あ、そうなんだ」

お「で、札幌戻ってKENZIやって、そこで「LEOSTAR8」とか出して・・・「裏切りのうた」とかカッコ良いんだよなあ」

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さ「あっ「LEOSTAR8」は8月の星のことなんだってさ。この間のライブで言ってて初めて知った。今まで「LEOSTAR8」ってなんだろう?って、ウルトラマンレオが8番目の兄弟かなあとかさ」

お「そんなに早くないよねパンクにしちゃ、KENZIってさ。「LEOSTAR8」とかあの辺とかさ」

さ「早くない」

お「遅いくらいだよね、当時の流れからすれば・・・当時のインディーズブームからしてもちょっと他のバンドと距離感あったんだよな、KENZIって」

さ「やっぱ特殊だよ、なんか・・・でもKENZI、スタークラブ好きで、スタークラブのライブにゲストで出たらブーイング凄かったんだって」

お「そうなんだ。当時?」

さ「うん。「このホワイトパンクが」って」

お「なんだよそれ?」

さ「だからスタークラブとかって「ブラックパンク」なんなんじゃないの。わかんねえけど、革ジャンとか着てさ。でKENZIのイメージってホワイトパンクなんじゃないの」

お「ああ、Tシャツとかそんな感じ?」

さ「うん。「温い」みたいな感じでブーイング受けたらしいよ」

お「スタークラブっつうのはいまだに来ないけど、当時から来なかったなあ・・・なんでだろう?なんでだろうねえ?今まで一瞬たりとも来たことないよ。つうかバンド名もカッコイイじゃん。ヒカゲもカッコイイじゃん。何でダメなんだろう。ある?カッコイイと思ったこと」

さ「俺「ロックンロールライダー」っつうアルバムはちょっと好きなんだけどね。でもあと20枚くらいのアルバムはダメだねえ。でもずーっとメジャーから出してるんだよね」

お「まだ徳間なの?」

さ「わかんないけど。でも何かあるんだろうねえ・・・需要があるのかなあ」

お「あるのかなあ・・・ホントダメだなあ、スタークラブって。肌に合わねえって感じだなあ、ヒカゲとかアイパッチとかしてたじゃん、なんかさ音楽とかよくわかんねえヤツが作る映画とか漫画とかでさ、パンクバンドとか出てくるとあんなカンジじゃない?ロック=皮ジャンみたいなさ」

さ「何だろうねえ・・・スタークラブか・・・確かになあ、このまま変わることもなく、ずーっとあのままなんだろうね」

お「いまだにやってるっつっても、モッズとかと違う感じがするんだよなあ」

さ「モッズなんかはさあ、色々紆余曲折しててもさあ、前に進んでる感じするけどさあ、スタークラブはそのままだからねえ。上がりもせず落ちもせずビヨーンと。それであんだけアルバム出せるっつうのがわかんないけどねえ」

お「何だろ。親とか偉いのかなあ、すげえ財閥の息子とか」

さ「んんーそんな感じするねえ」

お「理屈が合わねえもんなあ、そうでもねえと」

さ「一回、下北の焼き肉屋行ったらさあ、ヒカゲと川村カオリが来ててさあ」

お「カップルでロックな雰囲気を醸し出してた」

さ「そこすんげー混む焼き肉屋で並んでてさ、ヒカゲも並んでてさ」

お「ヒカゲも並んでたんだ?」

さ「うん。川村カオリと。したっけ「○○さまー」って呼ばれて入っていってさ、はあー本名○○っていうんだーって・・・」

お「・・・川村カオリも昔「ZOO」歌ってたよな、辻の。菅野美穂のずーっと前に。アイツ、人に歌わせるのいっつも「ZOO」なんだよ。何年かしたらまた誰かに歌わせるぜ、絶対。でもKENZIは好きだったんだ、スタークラブ」

さ「そうだねえ。「青春BABY」も2曲入れてなかったっけ」

お「ああ、そうだねえ」

さ「KENZIもちょっと外れてっからね・・・だからよお、5月に「クソったれナイト(KENZIプロデュースイベント@新宿ロフト)」行くじゃない?」

お「ああ、KENZIとピーズとPOGO・・・全部バンド、ドラムシンイチロウ・・・」

さ「KENZIは今、別のドラムがいるけどさ」

お「全てのバンドに関わってる」

さ「「KENZI PRESENTS」じゃねえよな、「シンイチロウPRESENTS」だよな」

お「叩くんじゃねえの?KENZIでも」

さ「叩くでしょう、1曲は・・・すげえなあ・・・だからその当日、5/25がKENZIの「青春BABY 2」の発売日なわけよ。そうすっと、その収録曲を中心に演奏するわけじゃない。そうすっと、昔の曲中心になるわけじゃない」

お「そうだねえ」

さ「すんごい楽しみなわけよ・・・この間、屋根裏見に行った時も1部2部3部って分かれてて、昔の曲コーナーみたいのがあって、昔の曲もやるんだけど、昔の曲を聴きに来てるヤツもいるんだけど、それでも今の曲7割、昔の曲3割くらいでさ・・・がんばってる人ってそういうスタイル取るじゃない、昔の曲に頼り過ぎないさあ・・・」

お「モッズしかりな、ピーズも」

さ「うん。でも、その5月のその日だけはKENZIも昔の曲を大っぴらに出来るわけよ」

お「ああ」

さ「だから盛り上がるだろうなあと・・・そこにプラス、ピーズよ。どうよ?素晴らしいでしょ?」

お「悪酔い必至だね」

さ「悪酔い必至よ」

お「朝から何も食べないで行こうよ。最初のビールですぐ酔っぱらえるように。逆に体調整えていこうよ。前の日寝ないとか」

さ「・・・そのチケット絶対欲しいなあと思っててさ、なのに全然発売日忘れててさ、出勤バイクに乗ってる時思い出してさ、店着いて電話したら2分で繋がってさ」

お「チケットぴあ?」

さ「うん。生まれて初めて繋がった」

お「呼ばれてるね」

さ「呼ばれてるんだよ・・・絶対そういうのあるんだよ・・・絶対見なくちゃいけないよ、34歳は。たまらんでしょう」

お「最近ロック好きな人って仕事場でよく会うんだけどさ、でもKENZIの話だけは通じないんだよね」

さ「ああ」

お「でも今一緒に仕事してる助監督のヤツがさ、4つ下位なんだけどさ、久々にKENZI通じた。「クソったれナイト」の話しててさ、KENZIとピーズとPOGOとって言ったらすぐ「全部シンイチロウじゃないですかっ!」って、すごい早い食い付き方で」

さ「わかってるね」

お「「オマエわかってるなあ」って」

さ「でPOGOなんてドラムシンイチロウでベースJUN GRAYよ」

お「そうそう」

さ「KENZIじゃねえかよって」

お「POGOのボーカルのアイツもちょっとKENZI入ってるしな。アイツ明らかに影響受けてるよな」

さ「影響受けてる。KENZIの弟子みたい。えーっと・・・良太」

お「弟子っぽい名前だもん、良太ってまず。舎弟っぽい名前だもん」

さ「佐野が一回POGOでやってたんだよね」

お「ああ、やってたねえKENZIやめて」

さ「うん。「SWEET DREAMS BABY」ん時ね。そのあとKENZIに入ったギターがすごかったな。なんかBOOWYみてえなヤツ」

お「佐野ちんはカッコよかったけどねえ、でまた戻ったんだよなKENZIに」

さ「でももう・・・1年くらい前に脱退ですよ。やっぱ金だろうね」

お「やっぱ金なのかな」

さ「食っていけないんじゃないの・・・たぶんKENZIは結婚してなくて、佐野は結婚してるんだよ。スライダースでいえばHARRYは結婚してなくて、蘭丸は結婚してるんだよ。知らねえけど。そういう方程式・・・そんで、ちょうど佐野チャンがKENZIに戻ってきた時、横浜にKENZI見に行って」

お「CLUB24?」

さ「いや、ちゃんとした公会堂みたいな所。「LOVE VACATION」が出た時かな」

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お「あれはカッコ良かったよね」

さ「あれはカッコ良かったよね。ちょっと戻ってきた感じしたよね」

お「KENZIも紫のシャツとか着てな」

さ「そうそう」

お「KENZI節。外しの美学」

さ「そん時、客が「佐野はPOGOでもやってろよっ!」って・・・「シーン・・・」って・・・ベースが上田ケンジでさ・・・上田ケンジって今、寺岡呼人みたいな位置にいるねえ」

お「プロデューサーだよね」

さ「オリジナルケンヂなんだよね」

お「そうそう。「ブラボージョニー」は上田ケンジだよね」

さ「そうそう。その前とかも」

お「ケンヂ、ケンジでかぶっちゃってな、まぎらわしいんだよ」

さ「だからバンド名「ケンヂ」にしたらしいよ」

お「あ、そうなの。ケンヂ、ケンジだから・・・ケンヂの「ヂ」がな「チ」に点々でな」

さ「そこが「天気のおねいさん」的な独特のさ・・・」

お「その前は

さ「KENヂ」ってKENがローマ字で「ヂ」だけカタカナで」

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さ「ああ、そうそう、その外し方な。独特の。そこで分かれちゃうんだよな。「ああ」と思う人と「ただのバカ」って思う人と・・・今、KENZIでギター弾いてる人は割と良いよ。森野君似の・・・巧いし・・・ギタリストとしてツボを心得てる感じ。良いよあの人。ベースがちょっとダメだなあ・・・ゆずみてえな・・・」

お「パンクバンドはビジュアル大事だからなあ、違った意味で」

さ「ギターの人は佐野チャンあとの相棒って感じでやってるなあ」

お「佐野のあの金無い感じはすごかったもんなあ」

さ「ピストルズのTシャツとか着てな」

お「そうそう」

さ「だっせえのな」

お「そうそう。ホント、ダサカッコイイじゃんKENZIって」

さ「KENZI解散した後、佐野チャンソロ出してんの知ってる?」

お「えっ!知んねえー」

さ「「SLOW MATCH」ってえの」

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お「うわー・・・えっ?歌も歌ってるの?」

さ「うん」

お「ダメっぽいなあ、それ」

さ「俺「JANIS」で借りたけど・・・」

お「「JANIS」にあるんだ?」

さ「うん、当時ね。で、ダメだったなあ・・・なんか「永チャン」みたいなバンドをやりたいって出したらしいんだけど・・・」

お「意味わかんねえ・・・インディーズで?」

さ「インディーズだと思うよ」

お「スゲエなそれ」

さ「何のあれもないなあ・・・ワンフレーズの思い出も・・・ゼロだな・・・1〜2回は聴いたと思うんだけど」

お「テープにも落としてないんだ」

さ「たぶん・・・「導火線」だ、サブタイトルが。思い出した」

お「そんなの覚えてるのたぶん日本でオマエ一人だよ・・・うわっ!この刺身すごい薬っぽい味する」

さ「そう・・・しかし「クソったれナイト」楽しみだよな」

お「楽しみだよ」

さ「ここ3年で1番楽しみかも」

お「えっ!ピーズより?」

さ「うん。ピーズワンマンより楽しみ」

お「体調整えておこうな・・・逆に・・・何も食うなよ、朝から。電車で行こうよ電車で」

さ「新しいロフト行ったことある?」

お「あるよ」

さ「俺、初めてなんだよな」

お「そうなの?すんごい見づらい柱があるんだよ、真ん中に」

さ「何なんだろうね。「クアトロ」しかり「ラ・ママ」しかり」

お「「ラ・ママ」の柱はすげーよな」

さ「半分くらいつぶれてんじゃないの・・・良い箱ってみんな柱があんなあ」

お「ああ「LIVE INN」って好きだったけどなあ」

さ「俺、行ったことない」

お「当時都内で1番でかいライブハウスだったんだよ」

さ「へえー」

お「冨士夫とか有頂天の男限定ライブとか行ったな」

さ「何処にあったの?」

お「あそこ・・・井の頭線の渋谷駅の隣」

さ「ああ、ああ、その場所は知ってる」

お「1階がなんか汚ねえスーパーみたいので」

さ「果物屋みたいのね」

お「あそこの7階だか6階だか・・・毎日下の階からすげえ苦情が来てたんだって」

さ「「屋根裏」もセンター街にあったんだよね」

お「そうそう、センター街入ってすぐな」

さ「大根、マザースとかも行っててすげえなあ。俺、行ったことないよ」

お「え、そうなの。マザースは4回くらい行ったかなあ・・・ARBとかウィラードとか有頂天とか・・・俺、何でこんなに有頂天行ってんだろ・・・すげー行ってんだよなあ」

さ「呼ばれてんだって」

お「爆発的に好きだったわけではないんだけどなあ・・・今ケラさんと一緒に仕事してるなんて信じられねえよ」

さ「そうだよ、すごいよ。俺が森ヤンと一緒に仕事してるカンジよ。「ノリーボーイ、これMDに落としといてくれん?」「はい、森ヤンさん」みたいな」

お「仕事じゃねえじゃねえかよ」

さ「「ノリーボーイのステレオは良い音するけんね」みたいな。そんくらいのカンジよ」

お「ウイラードってまだやってるんだよな」

さ「そうなの?」

お「年に1回。あ、年に1回じゃねえや。13日の金曜日の日にだけライブやるんだって」

さ「JUNってブスだよなあ」

お「ちょっと今のロック界いい話だろ」

さ「KENZIの場合はさあ、そういうんじゃなくて現役バリバリだからねえ、すごいよ」

お「インディーズブームで良かったバンドでいまだ現役なのはKENZIだけだねえ」

さ「ラフィンとかやってるじゃん。よくわかんないけど」

お「でも失速はしてるよ・・・当たり前だけど」

さ「KENZIの場合失速してねえんだよ、さらにすごいんだよ」

お「違う車に乗り換えたみたいなカンジ?」

さ「すごいんだよ、ライブ行くと。タワレコの地下の時なんて客少なくてひどいことになるなあ、なんて思ってたんだけどさ・・・オープニングは「傷だらけの天使」で出てきてさあ、いまだに・・・」

お「ああ、SEは・・・そうなんだあ」

さ「で、客少ないのなんてモロともせず、すごいパワーなんだよ。「CRAZY SUMMER」からさ」

お「「気の違った夏がOH YEAH到来さ」だな」

さ「そう。本気具合が伝わって来るんだよなあ、こっちに」

お「「ぃ家出娘そいつにぶち込めぇ」だ」

さ「そうそう。ホントにそうよ・・・あのカンジはライブ見てもらえれば・・・」

お「行きますよっ!ラバーソール買ったし」

さ「俺も今革ジャン着てるし!」

お「・・・でも「ブラボージョニー」は再発してほしいよな」

さ「でもいいじゃん、俺達音源あるし。MDに落としたし」

お「完璧だよ、あれ、お前が作ったやつ」

さ「「ブラボージョニー」と「KENヂ」と「OH! MY CAT」と「CRAZY SUMMER」と入っててな。完璧だよ」

お「あれ入ってないじゃん「MARK YOU」」

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さ「「MARK YOU」入ってない」

お「持ってるの?」

さ「持ってないけど、ヤフオクで安く出てるよ」

お「落としとけよ」

さ「うん。でも「MARK YOU」はレコードで欲しいんだよな」

お「えっ?CDも出てるの?」

さ「出てる」

お「「MARK YOU」はあのミディアムなカンジで来たっていうのがしびれたんだよなあ。あれ「OH! MY CAT」の後だよねえ、キャプテンレコードだよねえ・・・宝島がインディーズブームで調子こいて作ったレーベル。「MARK YOU」ってタイトルはむちゃくちゃカッコ良くてさあ・・・「奴をマークしろ」ってすげえじゃん」

さ「そのセンスだよなあ」

お「で、タイトル聞いてゴリゴリのすげーパンクナンバーだろうなあと思ってらミディアムじゃん、ミディアムパンクでカッコイイなんてちょっとありえねえよなあ・・・サビないんじゃないあの歌?」

さ「あそこだよ「ナルキッソス正気の沙汰か」って」

お「あそこがサビなんだ」

さ「「ナルキッソス」って何よ?」

お「わかんねえ」

さ「わかんねえよなあ・・・「ナルシスト」って言ってるのかなあと思ったら「ナルキッソス」って書いてあったよ」

お「あと「DEAD SCHOOL」と何だっけ?・・・「HONEY DANCE2」か」

さ「あと「WILD&RULE」ちょっと地味な」

お「それ薄いなあ・・・「MARK YOU」・・・「奴をマークしろ」だもんなあ・・・」

さ「「SWEET DREAMS BABY」ん時は「眠りやがれBABY」だったけどね」

お「ちょっと違う・・・ちょっとずれてきてるカンジが・・・」

さ「「MARK YOU」はジャケットが段ボールみたいのでカッコ良いんだよなあ」

お「そうそうそうそう」

さ「だから買うならやっぱレコードでしょう」

お「そうだねえ。やっぱレコードの重みは大きいよなあ」

さ「「ダイアナ」のジャケットがダセえんだよなあ」

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お「ああメジャーデビューシングルの?ダセえダセえ。ちょっと金かかってるんだけどね、分厚い紙質で。ポール・アンカのカバーでメジャーデビューっつーKENZIの外しの美学はいいんだけどな」

さ「シンイチロウとJUN GRAYがブスなんだよなあ、あれ」

お「ダメよ俺「ダイアナ」は野澤のイメージが強くて、もうほとんど呪縛のようだよ。ポール・アンカの「ダイアナ」をKENZI風に歌うんだよな、カラオケで」

さ「俺もそれやったことある」

お「・・・でも俺1番良い時期にライブ見てるからねえ、最高だったなあ「CRAZY SUMMER」TOURは」

さ「メジャー直前だよねえ」

お「一番前でKENZIの足つかんじゃって・・・KENZI嫌がってんの・・・とりあえず掴んどこうって・・・ロフトすっごい超満でさ、もう熱気っつーかブレイク寸前のバンドのパワーがさ、すごくて・・・1曲目でもう1番前までガーッって行って2曲目でもう汗ダクダクでさあ・・・着替えのTシャツ持って行ったもんなあ・・・」

さ「マメだなあ」

お「本物の安全靴履いてね」

さ「本物のな」

お「1900円の」

さ「マーシーも履いてたなあ、本物」

お「マーチンじゃないやつな」

さ「警察仕様の横がベルトの」

お「ああ・・・長いヤツはダメだったなあ」

さ「大根のちょっと長いヤツでしょ?」

お「そうそう」

さ「覚えてる覚えてる」

お「全部あれだったもん、学校行くのもバイトも。厨房だったから。コックは安全靴なんだよね・・・しかし今、誰がパンクスかっつったら及川奈央よ・・・パンクスですよ彼女は。薩本言うところの「KENZIが本気」っていうくらい本気。本気のAV嬢。すっげえよあのコは」

さ「・・・覚えとくよ・・・」


次回はTheピーズ復活記念「Theピーズ」で。
*その後、ロック考古学者・薩本の調査でKENZI「ブラボージョニ―は今夜もハッピーエンド」は当時わずか2000枚のリリースだったことが判明。あれほどの名盤がわずか2000枚・・・・そんでCD化される見込みもほとんど無し・・・まあそれもKENZIっぽいっちゃKENZIっぽいんだけどさ・・・・

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