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☆- 大根仁の脳天日記 -☆

(2003/02)


[ 三月? ]
はやっ!早いなあ。

昼から新宿の地下編集室で、先日収録した「スラップスティックス」の編集。
退屈になりがちな舞台中継をどう退屈でないものにするか?
を、模索しながら。
途中、新妻オペレーター羽賀ちゃんにある程度オマカセして中座。
「14歳の国」原作者・あの!宮沢章夫さんのインタビュー撮り。
個室での、かしこまったインタビューにはしたくなく芝公園のカフェにて。
原作者から観たTV版「14歳の国」という内容で話を聞こうと
思っていたのだがいかんせん、自分の中で宮沢さんに聞きたいことが
ありすぎて、ほとんど書生のような気分で色々な事を聞いてしまった。
結果、予定の時間をはるかにオーバーして1時間以上にもわたる
ちょっとした「演技論・演劇論・TV論」のインタビューになってしまった。
話を聞きながら目からボロボロとウロコが落ちてゆく。
濃密、至福、修学、納得の1時間。
それにしても宮沢さんの笑顔はかわいかった。

夜、そのまま芝公園にある制作会社で打ち合わせ。
春の特番の打ち合わせだったのだが
未だキャスティングがほとんど決まっていないという
「ケツに火が着いた」状態。

さらに夜、新宿に戻って編集。

2003/02/28(Fri)


[ 劇団ひとり ]
劇団ひとり、は面白いなあ。
テツ&トモより全然面白いのになあ。
綾小路なんちゃらより全然面白いのになあ。
山科けいすけと同じくらい面白いのになあ。

三月は優しい人月間に決定。
明日からスタート。

昨日の夜、子犬のトイ・プードルと遊んだ。
犬を飼うのもいいかもしれないなあ。
2003/02/27(Thr)


[ 偉い人 ]
及川奈央は偉いなあ。
頑張ってるなあ。プロだし。
偉いなあ。
2003/02/26(Wed)


[ 諸準備 ]
の、1日。
本棚作りの影響か、全身が筋肉痛。
こんなところの筋肉を使ってたのかと、確認。
腰、裏腿が痛い。

夜、家で鍋。男3人で鍋。
男子中学生レベルの話ばかりの7時間。


「14歳の国」3話をオンエア−で観る。
おもれかった。

朝4時解散。
残った鍋をやっつけて寝る。


「文藝別冊・追悼ナンシー関」
「毛沢東伝」藤子不二雄A
「ユリイカ・松尾スズキ特集」
購入。
2003/02/25(Tue)


[ 明日「14歳の国」第3話 ]
です。よろしくお願いします。

午後、知人の見舞い。あんまり具合がよろしくなく。
なんとなく話が長引き、長居。

夜からMA。
今、3話終了。続けて4話も。
面白い面白い。

2003/02/24(Mon)


[ 新木場「もくもく」 ]
にて、木材購入。本&CD&DVD&ビデオテープ棚を作るため。
溜まりに溜まった本&CD&DVD&ビデオテープを整理できる
大きめの棚をずーっと探していたのだが手頃なものがなく
ついに自分で作ることにした。
安い木材を探して、レンガを50個ほど、合わせて二万円くらい。

この「もくもく」にはありとあらゆる木材が揃っていて
種類や大きさによって値段も様々なのだが
ちょっとビックリするくらい大きさと値段が比例しない。
僕が買ったのは180センチ×40センチくらいの板。
これが一枚1500円くらい。
かと思えば、VHSテープの半分くらいの大きさの木っ端で
三万円!!も、するものがある。
どっからどうみてもただの木っ端。
なんのほどこしもされていない、ただ切っただけの木の破片。
えええぇぇ???なんでえ???
だってその辺の建築現場に行けば腐るほど落ちてるぞ、こんなの。
?????何がどうなったらこれが三万??
おそるべし木材の世界。
ちょっとしたカルチャーショック。

夜、勉強。色々な資料とテープ。目が疲れた。
2003/02/23(Sun)


[ ニール・ヤングの優しい音。 ]
222か。
昨夜は遅くまで春の特番のプロデューサーと打ち合わせ。
麻布十番のカッチョ良い和食屋。
来ている客はいけすかねえヤツばっかだったけど
料理は流石に美味かった。
家に戻って少し宿題してたら朝。

昼、寝坊してフミヤライヴビデオのMAへ。
年が明けてからコツコツと編集してた
二本の大作がようやく終了。
ツッチーもおつかれ。

夕方から「14歳の国」3、4話の本編集。
確かな手応えの面白さ。
が、ラストシーン以外の音楽が聞こえてこない。
すんなりとは終わらない。

夜中帰宅してTVをつけるとNHK−BSでニール・ヤングの
ドキュメンタリー。ジム・ジャームッシュの撮った映画。
ぼぉーっと見入る。
二年前のフジロックFESを思い出す。
あの時はニール・ヤングの機嫌が良く
1時間の予定のステージが2時間になったんだった。
唯一のMCがステージ最前まで出てきて
両手を高く上げながら「YEAHァァァァァ!!!!!」だった。
鳥肌が立った。
ニール・ヤングの音のような映像を作れないもんだろうか?
2003/02/22(Sat)


[ 引き続き読みつづけている、 ]
「マークスの山」(高村薫)。
文庫版の改稿へのこだわりの理由は
「文庫が読者に届く最終形であることに加えて、中高生が読むことを
 常に考えるからです。彼らのお小遣いで買えるのは文庫版。     私自身もそうでした。彼らは大人と違ってそこで手にするものが小説 の入り口でもあるわけです。
 その時にまともなものを読まず、その子は小説嫌いになったとしら、
 それは作家の責任です。」(週間現代インタビューより勝手に引用)
なるほど。さすがの高村薫。
いやいや、最近はブックOFFとか色々ありましてですね、なんてことはどうでもいい。
まず「読者ありき」ってのが素晴らしいじゃないか。
それはそうと、滅多にというか一度も共感を得たことは無いのだが
高村薫にとてつもないエロスを感じるのは僕だけだろうか?

1日中、フミヤライヴビデオのオープニング映像の編集。
インフェルノというとても高価な編集マシーンというかシステムというか
まあそんなものを使って編集。
この作業、最初に「これこれこんなカンジで」とヘタクソな絵コンテでオペレーターさんに
説明してしまえば、あとは作業のポイントポイントで確認する以外は
ひたすら「待つ」状態。今やってる部分は45秒ほどなのにひたすら時間がかかる。
素晴らしいセンスの優秀なオペレーターさんが1フレーム(1/30秒)づつ
カッチョよい画を作ってゆくのを他の仕事の資料を読んだり
メールやネットをチェックしたりブラインドタッチの練習をしたりして
こんえなけxはくえちゃな(こんなメチャクチャな)タッチになったりして
そんなことをしながら観ている。

漫画家ちばてつや先生のホームページを発見。
2年分の日記を読む。ちば先生、かわいい。
文章がとてもかわいい、やさしいし。文末が基本的に
「〜したんだ」「〜だよ」「〜だって」「〜だもん」「〜なんだ」「〜なの」
な御大。思いがけずほのぼのした気持ちになってしまう。
夏にお墓参りした時の日記は写真付きで
「この下にはご先祖様だけでなく、弟のあきおと父も眠っているんだ」に涙。
お二人とも、ちば先生にとっては計り知れないほどの悲しい「死」だったはず。
ちばてつや全集147巻を本気で買い揃えようかと悩む。
手塚治虫がフランクザッパなら、ちばてつやはトッド・ラングレンだ。
ってよくわからんが。

ビッグコミックオリジナルで「黄昏流星群」(弘兼憲史)新シリーズスタート。
今、弘兼作品としては「島耕作」シリーズよりもこっちのほうが断然凄い。
今シリーズ【恋する星霊】はこれまでの最高傑作になりそうな予感。
これ、ヤバいだろう。

そういえば年末にDVDを購入したまま未見だったコーエン兄弟の「バーバー」。
この前やっと観た。「なるほどなあ」な映画だった。
UFOのくだりはもう「なるほどなあ、なるほどなあ」だった。

そういえば先週観た映画「アカルイミライ」。
黒沢清監督作品では個人的には「復讐〜蛇の道」と並んで最高傑作。
最高傑作なのはいいのだが、あれを観て以来、何かココロの中に
何かが住みついてしまったようだ。
まあ簡単にいえば「アタった」状態。
決して気持ちの良いモノではない。



2003/02/21(Fri)


[ 毒猿 ]
って、「新宿鮫」の第二弾のサブタイトルなんだけど
ものすごいインパクトのある字だなあ。

そういえばこの間、ある女優さんからメールが来て
「今、本番中なんだけど、この間観に来てくれたとき、ワタシ最悪
 だった?気になってます。」との内容。
どうやら本番中の舞台袖から携帯で送ってきたらしい。
その舞台は長丁場だったし、その女優さんはなかなかナーバスな
部分も持ち合わせている方なので、これは疲れも溜まって
精神的にも色々辛くなってきてるのかな?と。
確かに自分が観た回はあまり出来がよろしくなく、それまで3回
観たその舞台では一番「熱」が低いカンジだった。
でもそれは決してその女優さんのせいではなく
他の役者さんも観客もテンションが低く、長丁場の舞台では必ず何回かある
不可避ともいえそうな「回」だった。
しかし、その女優さんには先日、酒の席でとても失礼なことを言って
泣かせてしまったという失敗があったので
(その後、気まずい状態は修復したが)
その汚名返上とばかりに、自分でもちょっと引くくらいの
さむうぅい内容のメールを返信した。
どのくらいさむいかといえば、冬のオホーツクくらいの寒さだ。
海いっぱいに流氷が漂うくらいの寒さだ。
漁にも出られない。雪と雨が混ざった風がビュービュー吹いている。
そんなメールを送った。
そして二時間後、舞台を終えたその女優さんからまたメールが。
「あのう、ワタシ○○さんじゃなくて××なんですけど・・・」
!!!!!?????
しまった!来ていたメールは下の名前が一緒の、まったく別の女優さん
からだった。
ひいいいいぃぃぃぃぃぃ!恥ずかしいぃぃぃっっ!!!


「マークスの山」(高村薫)の文庫版がバカ売れしていると
聞いていたのだが、なんで今さら・・??と思っていた。
で、今日本屋で平積みされているの見てビックリ。
全面改稿!!??ええっ!?あれを全面改稿!?
そりゃ買うわい。夜中、読み始める。あああ・・・
一文字一文字が・・・・あああ・・・・またあのカンジになるのか・・・
2003/02/20(Thr)


[ 嬉。 ]
■「演技者。」というテレビ番組で、僕が書いた『14歳の国』を原作にしたドラマが放映された。ビデオを送ってもらったので観る。原作を脚本化したのはかつて僕の演出助手もしていた山名だ。山名もよくわかっているし、演出しているのがどんな方かわからないけれど、原作にある考え方というか、方法論を巧みに読みとってくれた演出がうれしかった。


勝手にコピー&ペーストさせていただいた↑は
宮沢章夫さんの日記。
宮沢さんに「うれしかった」と言われたら
こっちはもっともっと「うれしい」ぞ。
が、まだまだ2話を仕上げたばかり。
まったく気をぬけない。当たり前だけど。
最終話を観終えたとき「がっかりだった」と言われないように
もっともっと悩まねば。

足踏み状態の仕事がいくつも。
少しイライラする。
お腹が痛くなる。
精神状態がよくない。
当たり前以前のことをしたり顔で言ったり書いたりして
その気になっているヤツに殺意を抱く。

2003/02/19(Wed)


[ 演技者。 ]
今日「14歳の国」第2話です。
よろしくお願いいたします。
是非ご覧下さい。
2003/02/18(Tue)


[ 二日ぶん ]
2月14日。
午後、フミヤライヴの編集に向かおうとした瞬間、電話。
「作業が滞っているのでまだ来なくていい」とのこと。
2、3時間の空きになってしまったので映画でも観ようと
情報誌を見るがそんなに都合よく観たい映画の時間が合うわけもなく
あきらめて家で勉強。
夕方から編集開始するも、先日までオフライン編集したデータを
繋ぎなおすだけなのでほとんどやることもなく。
夜、3月末の特番の打ち合わせ。
久しぶりに会う人が多い打ち合わせ。
10年くらい前に毎日のように顔を合わせていた人たちとの打ち合わせ。
会議中に出てくる言葉、冗談、ボケ、ツッコミなどが
10年前とほとんど変わらず、思わずタイムスリップ。
時をかけるオッサン。だ。ラベンダーの匂いはしなかったけど。

夜中、旧知の芸人・本間しげる氏と会う。
四月に久々にライヴをやるのでそのアイデア出しなど。を、目黒デニーズで。
それにしても最近のデニーズのメニュ−には熱が感じられない。
本間氏、しばらくライヴを休んでいて、自分もまったく会ってなくて
「もうこのまま辞めちゃうのかなあ・・・」なんて思ってたのだが
やる気を出してくれたらしい。
理由を聞いたところ、先日某有名カメラマンの披露宴に呼ばれ
久々に一人芝居を披露したところ、とても客ウケが良かったらしく
しかもその客の中には某有名女性シンガーや、日本代表サッカー選手
元宝塚スターの癒し系女優、某有名ロックギタリストなどなど
がいて、その方たちにも大ウケしたらしく
なんとなくライヴの感触を取り戻したらしい。
なにはともあれ、やる気になってくれたのは嬉しい。
その打ち合わせ中、生まれて初めて幽霊を見る。

2月十五日。
「14歳の国」第2話の編集。
の、前に青山円形劇場にて「1989」観劇。
オリジナルはナイロン100℃の1992年公演「1979」。
1994年に生きる女子高生が1979年にタイムスリップして
しまうKERAさんにしては珍しい甘酸っぱい青春群像劇。
であると同時に70〜80年代のサブカルチャーへの思いが
ギッチリと凝縮された作品。当時、これを新宿シアターアプルで
観た時、僕はまだADで(1/3くらいディレクターだったような気もする)
何が理由かは忘れてしまったが(おそらく大したことではない、彼女に
フラれたとかその程度)まったく仕事に対してやる気の無い時期だった。
日々の仕事に忙殺され1週間に一度も家に帰れないような状態が
1年近く続いていて、まあいわゆる下積み生活のど真ん中だった。
まだなんにも始まっていないし、まだなんにも作ってもいないのに
モノ作りへの興味が薄れていた時期でもあった。
恥ずかしい話だけれど。
「1979」はそんな情けない状態だった僕に、ガツン!!と渇を
入れてくれた作品だった。主演の女子高生たちに当時大人気だった
アイドルのリボンやCOCOのメンバーを迎え、客演に東京サンシャインボーイズ・
西村さん、(故)伊藤さん、梶原さん。ナイロンも公演ごとに客が
増えてゆくイケイケ状態。
客席は演劇ファンとアイドルおたくとサブカル好きがグチャグチャの
超満員で、異様な雰囲気だった。
3時間半を越える舞台は最後のカーテンコールまで1秒の隙もなく
舞台なのにアンコールが鳴り止まずフィナーレは
出演者全員とKERAさんが当時やっていた
LONG VACATIONというバンドでの
「セーラー服を脱がさないで!」の大セッションだった。
メジャーとかマイナーとかそんなクソみたいな価値観は
どうでもいいんだ。好きなことやってそれが面白ければ
オーディエンスは増えていくんだ。
大絶叫するKERAさんはそんなことを言っているようだった。
振りかえるほどの人生ではないが、仕事をしていく上での価値観を
変えてくれたいくつかの出来事のひとつが「1979」だった。

その「1979」を「1989」に時代設定を変えて上演すると
知ったのは確かおととしの暮れ、「室温」の打ち合わせをしている
時にKERAさんから聞いたのだった。
「脚本のブルースカイ君は【1979】を観て演劇を始めたんだって」
それを聞いて、まったく面識の無いブルースカイさんに
とてもシンパシーを感じた。
「100匹目の猿」ではないが、当時「1979」を観た腐れかけの
若者の何人かが同時に「やろう!」と思ったのだろう。
あれ、「100匹目の猿」って使い方違う?まあいいや

「1979」は1979年だからこそ成立する芝居であり
あのなんともいえない時代のジリジリしたカンジは1979年でしか
ありえない。なのにブルースカイさんは時代設定を10年後の
「1989」年にした。
バブル絶頂、昭和から平成、いわゆる「失われた10年」の始まり、
この時代で果たしてあの「1979」の持つ独特な世界観を
カバーできるのか?
正直、期待半分不安半分で観にいった。

そして終演後、僕は「1979」を観終えた時とほとんど同じ
気持ちで拍手をしていた。
1989年〜1993年は全てが浮かれていた時代なんて言われているけど
全員が全員そうだったわけではない。事実、僕はあの頃深く深く沈んでいた。
バブルの恩恵なんぞひとかけらも受けていない。
ブルースカイさんも演出の村上大樹さんもきっとそうだったのだろう。
(聞いたところによると脚本は二人で共作したらしい)
不安なんぞ感じていたことを恥ずかしく思った。
「1979」をカバーするならば
KERAさんがまだ何者でもなかった1979年を題材にしたように
、やはりブルースカイさんと村上さんが何者でもなかった
1989年を題材にしなければならなかったのだろう。

今日、僕が観た公演回はセリフの間違いやキッカケのミス、
おそらくウケを狙った部分のハズしなどもあったのだが
そんなことはまったく気にならず逆に「青さ」が心地良かった。
すばらしい作品だった。
実は少し泣いてしまった。

終演後、挨拶させていただいた村上大樹さん(拙者ムニエル)。
初日に倒れたみのすけさんの替わりに急遽演出から役者になって
しまうというとんでもないトラブルに見舞われたのにも
関わらず、その存在感は見た目に反してとても「タフ」に感じた。
僕とまったく同じフレームのメガネをしていて
お互いに照れてしまい、まともな会話も成立しなかったが
とても親近感を感じた。
会えて良かった。仲良くしたいと思った。


夕方から「14歳の国」第2話編集。
で、今編集中。
ますますおかしなことになってきている。
おもしろい。



2003/02/15(Sat)


[ 自己嫌悪の日。 ]
「スラップスティックス」の収録。
WOWOWでのオンエア−と、DVDでも発売されるらしい。
あ、この日記デジャブだ。前に書いたことある。既視感。

7台のカメラで昼と夜の公演の2回を収録。
昼公演、俗に言うマチネ。平日なのにマチネがあるってすごいなあ。
技術クルーがはじめての人ばかりだったので
上手く自分が撮りたい方向性を伝えられずチグハグな
収録になってしまった。
舞台中継の難しい所はやはり、やはり劇場の「熱」を
伝えられないからだと思う。
特に今回のようなセットがほとんど無い「素舞台」だと
ますます難しい。

夜公演までの間、食事の時間を割いて技術クルーに
しっかりと「自分の撮りたい画」を確認するためのミーティング。
そこでの口調が、自分でもちょっとどうかと思うくらい
失礼なものになってしまった。

夜公演、俗に言うソワレ。
昼公演とはうって変わって、7台すべてが素晴らしいカメラワーク。
舞台から発する「熱」を上手く撮れたような気がする。

ラストシーン、オダギリジョー・ともさかりえ・山崎一の
芝居に収録しながら不覚にも涙。

技術クルーのみなさんのおかげで素晴らしい画が撮れた。
未熟な自分に嫌悪感。



2003/02/13(Thr)


[ ツカレメ。 ]
朝プール。サウナにも入って酒を抜く。
昼、フミヤ氏との打ち合わせ。
今年やるいくつかの仕事の打ち合わせ。
漠然としたアイデアながら楽しめそうな企画。

午後、「14歳の国」第2話シンフォニー編集(仮編集)。
昨日放送の第1話の視聴率も予想以上に良く、嬉しい。
シビアな評価もいくつか頂くがおおむね好評。
素直に嬉しい。
「アメリカ」もある意味「なんにも起きない」ドラマではあったが
それでも兄弟の生死、ストレートな表現ではないにしろ
友情や愛やなによりも「生きる」ことが描かれていた。
今回の「14歳の国」は、「アメリカ」以上に
「なにも起こらない」。
これからどうなるの?
と、何人かの人に聞かれたが、この先も何も起こらない。
いや、起こるのだが結果として何も起こらない。
でも回を追うごとに何かが変わってゆく。
何かが「起こる」ことではなく、何かが「変わって」ゆくことを
楽しんで作りたい。

夕方、新番組の企画の打ち合わせ。
VIPの方へのプレゼンだったのだが、思ったよりすんなりクリア。
良かった良かった。

夜、編集室に戻ってつづき。
2話と、3話もつないでみる。
面白い。面白い。
少しづつ少しづつ宮沢章夫氏のプレッシャーから
解き放たれてゆく。ような気がする。


2003/02/12(Wed)


[ 祭日。 ]
今週は色々な仕事の仕込み物件が多く
やらなければいけないことがたくさんあるのに
今日の祭日のせいで作業が1日遅れてしまう。
この業界、土日も祭日も朝も夜も関係なく働く人ばかりでもないのだ。

午前中、少し勉強。
午後、新大久保グローヴ座「トイヤー」観劇。
ちょっとビックリするくらい面白かった。
しかしあれ、グローヴ座のほとんどを占めているローティーンの女子たちが
どこまで理解できるのか?ちと不安になる。
でもあれで「目覚める」女子もいるんだろうなあ。
それはそれでよし。
まあでもあの年頃の女子はけっこう大人だからなあ、
もし自分が14、5であれ観たら結構ヤバいことに
なるかもしんまい(リサイクル語)。

夜、シアターコクーン「ニンゲン御破産」:大人計画を観劇。
席につくと、廻りがすごいことになっている。
あの大河俳優もあの大女優もあのミュージシャンもあの歌舞伎役者も
あの劇作家もあの有名コメディアンもあのアイドルも・・・・
そして中村勘九郎効果なのか、普段演劇のホールでは見かけない
方面の、「歌舞伎座にいそうな」女子も多い。
下北なカンジの演劇ファンはほとんどいない。
3幕、3時間半に及ぶもあっという間。
すごかったすごかったすごかった。
シアターコクーンは役者の声がすごく聞きづらいのだが
それでもすごかったすごかったすごかった。

終演後、同じ渋谷のパルコ劇場で「スラップスティックス」を
終えたナイロン峯村さんと連絡をとって飲み。
待ち合わせるとそこには、ともさかりえちゃん、ナイロン村岡さん
女優種子さん、犬山犬子さんも来ていた。
モツ焼き屋で女子5人に囲まれてハーレム状態。

夜中、酩酊状態で2軒目。
KERAさん、山崎一さん、住田隆さんらと合流。

2時過ぎ、よゐこ濱口くん、スチャダラパー・シンコ氏より電話。
濱口くん「14歳の国」、ドキドキしながら観たとのこと。
何人かの知り合いからも「良かった」との電話やメール。

4時ころ帰宅。

なんだかんだで自分も祭日を満喫してしまった日。
2003/02/11(Tue)


[ 「14歳の国」明日、放送です。 ]
昼、自宅にてPCに向かい諸々作業。
4年前に作った番組の企画書がこの程陽の目を浴びることになり
2003年仕様に作りなおす。
「演技者。」次回作のシノプシスをしっかりと読み込む。
来週本番のPV撮影のものすごくラフなコンテ作り。
などなど。

午後、新しくなった目黒区役所へ所用で。
古くて真ん中が吹き抜けになっていてこじんまりとまとまっていた旧舎が建築物として大好きだったのに
この新しい区役所はただ新しくてデカいだけで何の面白みもない。
ただ、だだっぴろくて壁かけTVが3つも取りつけられているキレイな
メインロビーのソファーが浮浪者のオッチャンたちに占拠されていた
のは笑った。

夕方「14歳の国」第1話MA。
14歳の国なのにその国の住人たちがまったく出てこない、
でも確かに存在感はある。
そんな音付けに音効・稲村さんと色々悩みつつ。

第1話を仕上げてみて・・・・・
一昨年からこの枠のドラマを色々作ってきたが
今回の感触は・・・・・・・なんだろう?
なんにも起こらないぞ・・・・

MA前のビデオを脚本の山名氏に観てもらい
電話で感想を聞いてみたんだが
「本当になんにも起こりませんねえ・・・変ですよ」
「そうなんですよ・・・」
ってアンタが書いたんじゃないか!!

何はともあれ、たくさんの人に観てもらいたい「14歳の国」。
明日火曜24:58〜です。
観れ!!

そういえばおととい読んだ「青いオトコの汁」花くまゆうさく。
の中で【ダウンタウン松本は、象さんのポットに影響を受けているのでは?】
というのがあって、思わずヒザを打った。良い音が鳴った。


2003/02/10(Mon)


[ 二日分 ]
2月8日。
「14歳の国」第1話、本編集。
シンフォニー編集(仮編集)したものから10数秒切る作業。
と、全体的な明るさと色調整。
自分好みの明るさと色から少しズラしてみる。
10数秒を切る作業のカットラインも「ここ!」というところから
少しズラしてみる。
仮にあてたスチャダラパー・シンコ氏の作った音楽も
入れるポイント、外すポイントを少しズラしてみる。
夜中、出来あがったモノを他人に観てもらう。
「ラリった小津」。が、その人の感想だった。
ふうむ・・・・・・・・。

2月11日、24:58〜「14歳の国」。
よろしくお願いします。

「青いオトコの汁」花くまゆうさく。を、読む。
【中学男子サンダ−ロードで通ってきた映画・TV・格闘技】
の帯コピーの通りの内容。ほぼ同い歳、育ったのも都心から中途ハンパ
に離れた土地、ということもあってシンパシー感じまくり。
特に「トラック野郎」シリーズに対してここまで愛情を持って
言及した文章はない。邦画史上最もファンキーな作品のはずなのに
これ語る評論家、見たことないもんなあ。
【わかりやすい、下品、面白いと3拍子そろった、日本映画の
最高傑作がこの「トラック野郎」だ。興行的にも成功し、シリーズで
10本作られた。ひとめ惚れ、しったかぶり、汗、涙、小便、大便
どんぶりめし、友情、恋愛、ライバル、死、おなら、ケンカ、トルコ
野グソなど人生のキーワードが全てブチこまれた映画です。
これさえ見とけば、学校はいらないかもしれない。とりあえず生きて
いく上での教育はこの映画で充分学べるであろう】
女子には決して理解できない中学男子ワールドを忘れたとき
男は大人になるのだろう。
日々、TV・映画・漫画・ビデオ・CD・芝居を中心に生きる自分も
まだまだ中学男子。
夜中、久々にトラック野郎第6作「男一匹桃次郎」を借りにいく。
あ、この本には「池袋ウェストゲートパーク」のことも
書いてあるんだけど、これも今まで見たどの評論よりもズバリ!


2月9日。
来週収録する舞台「スラップスティックス」の下見。
先日のゲネプロに次いで2回目だが
仕事とはいえこの舞台を何度も観られる自分を幸せに思う。
終演後、観にきていた友人の関夫妻と食事。
を、パルコ劇場下8Fの和食屋で。

夜、打ち合わせ。

夜中、勉強の途中で
シアターTVで「雨が来る」THEシャンプーハット。
舞台では観られなかった細かい表情を確認。
退屈になりがちな舞台中継の撮りかたをもっと勉強しなくては。
2003/02/09(Sun)


[ カナダ映画。 ]
朝、遅ればせながら「ボウリング・フォー・コロンバイン」を
恵比寿ガーデンシネマにて。
○ラジカルとは何か?初期衝動と知性、そして行動力、さらにユーモア が結びついたとき、
 はじめて「ラジカル」になる。四つのうち、ひとつはよくある。
 ふたつもある。ライヴハウスや小劇場、活字や漫画、映画館ギャラリ ー、ひょっとしたらTVでもある、国会議事堂にもあるかもしれな  い。でも三つはどうだ?
 四つはどうだ?
 この映画は四つ成り立った「ラジカル」の上にさらに「POP」が加 わっている。史上最強の表現法「PUNK」。
○編集が上手い。編集が上手いとはどういうことか?
 どれだけの素材を捨ててきたかだ。
 あの120分の為にどれだけの素材を撮ったのだろうか?
 捨てた(使わなかった)素材が深い深い根になって
 その養分を吸収して、作品として巨大な大木が立っている。
 以前、堤カントクの「ブラックジャック」のスポットを作った時
 本編編集前だったので、収録素材すべてを観る必要があった。
 その時のショックは忘れることができない。
 とにかくものすごい素材の量だったのだ。
 気が遠くなるほどの素材から搾って搾ってもう滴らないくらい搾って
 やっと落ちてくる一滴が「作品」になる。
 そういうことなんだ。
○地方都市のヤバさ、自分が育った街もそうだった。
 とりあえず何でもある、その「とりあえず」がヤバい。
○チャールトン・ヘストン。全米ライフル協会の集会で
 ライフルを片手に熱弁「ここは自由の国だ!!」、マイケル・ムーア に突っ込まれると
 「?????」、逃げてゆく後姿の弱弱しさ、
 昨年のアルツハイマー宣言。
 短絡的ではあるが、アメリカ。
○これがなぜ「カナダ映画」なのか?
 なぜカンヌで20分のスタンディングオベ−ションを受けたのか?
 そしてなぜこの映画に興味を惹かれる人と惹かれない人がいるのか?


アタマの中がウニ状態のまま編集へ。
夕方打ち合わせ。
新たな仕事の話。
夜、編集再開。



2003/02/07(Fri)


[ 14歳の国。 ]
昼過ぎ、フミヤ氏と新たな仕事の打ち合わせ。
はじめはやや煮詰まり気味だったアイデア出しも
ささいなきっかけで一気に内容が決まる。
フミヤ氏との打ち合わせはこのパターンが多い。
最後には大笑い。
この人との仕事は本当に楽しい。楽しいなあ。

夕方から「14歳の国」第1話、シンフォニー編集(仮編集)。
いよいよ編集。あらかじめTKのユリさんがラフ編集してくれて
いたものを見ながら細かく直してゆく。
同じシーンの素材が何テイクもあるので
例えば、教師1のセリフがNGでもその前の教師2はOKだったり
した場合、違うテイク同士のカットを繋げる。
例えば、ちょっとしたセリフ前の間や「あ・・」とか「「いや・・・」
とかのニュアンスが変わるだけでそのシーンの、いや作品全体の
イメージが変わってしまうので、慎重に慎重にベストの
テイクを1カットづつ選んでゆく。
今回の「14歳の国」では
いかに「アンバランス」に「気持ち良く」作れるか、に
挑戦してみた。「ズレ」の気持ち良さ。
外しの美学とかじゃなくて、「ズレ」てるカンジ。
って、何を言ってるのかわからないがとにかくそういうことだ。

ええと、あれだ、朝駅前に停めておいた自転車が
夜、帰ってきたら朝停めておいたところに無くて
撤去されたかと思いきや、周囲を見るとそんなことはなくて
探してみたら、朝停めていたところから30メートルくらい離れた
ところにあって、あれえ朝は確かにあっちに停めたんだけどなあ・・・
あ、カゴに空き缶、なんだよ、誰だよ、やめてくれよな・・・
まあいいや、腹減った家帰ろう、キーコキーコ、あ、カレーの匂い!
いい匂いだな、ウチもカレーだといいなあ・・・あっ!
キキキィイーーー!!ドンッ!!ぃてっ!!ガン!!あれ???
キャァァァァァァアアアーーー!!!!!!

そんなカンジだ。
そんなカンジを目指している。

ひと通り繋ぎ終えたところで
スチャダラパー・シンコ氏の作った曲をあててみる。

・・・・・いいよ、これ、いいよ。
いいんじゃないか、いいんじゃないか?

次週、火曜日24:58〜「14歳の国」スタート。
よろしくお願いします。
つーか観れ!!

放送日がズレてる地方のみなさん、今しばらくお待ちを。

円形脱毛部分に少しづつ毛が生えてきた。
春も近い。

「30代が聴くロック・やっぱ自分の踊り方で踊りゃいいんだよ
 RCサクセション【RHAPSODY】篇」
近日アップです。
こちらも、もしどうしようもなく、オナニーすらする気がしない
ような時にでもご覧ください。

2003/02/06(Thr)


[ 蕎麦屋で泣く。 ]
朝、少し勉強。あまり進まず。

昼、祐天寺駅前で所用をすまし、本屋で【ロッキンオン・永久保存版
特集THE CLASH】購入。
そのまま駅前の小さな蕎麦屋で昼食。
この歳になると、店の佇まい、発するオーラ、従業員の顔を
見ただけでその店の味の良し悪しがわかるようになる。
祐天寺に住んで5年になるが、その蕎麦屋には一度も入ったことが
なかった。絶対に普通以下、なんの特徴もない、つまんない味。
だと思っていた。近所にもう1軒蕎麦屋があって、そっちは
ほどよく美味い。嫌味のない美味さ。
蕎麦屋ってほら、美味過ぎると腹立つじゃない。
もう店主の主張がうざったくて。いいじゃん、蕎麦なんて普通で。
あ、だから普通以下はイヤなんだよ。
やる気がないっつーか、客をナメてる味ってあるじゃん。
これだったらまだ富士そばの方が勝負してんぞって店。
そういう店だと思ってたんだよ、その今日入った蕎麦屋は。
で・・・・案の定の味。
まあいいや、と思ってロッキンオン読みながら食べてたんだけど
その中でマーシー(ハイロウズ)のインタビューがあってさ、
1998年のフジロックでジョー・ストラマーに初めて会った時の
話がすごくよくて、不覚にも涙が出ちゃったんだよ。
蕎麦食いながらボロボロボロって。
ハンカチもティッシュも持ってなかったから
手でぬぐってたんだけど、あとからあとから涙が出てさ、
あれね、涙って溜まってくのね、最近泣くようなことなかったから。
そんでハッと気付いたら店のババアがティッシュ持ってきてさあ
なんか知らないけど、俺の顔みて微笑んでるんだよ。
「泣きんしゃい、思いっきり泣きんしゃい。うちの蕎麦は
 アンタみたいな人にも優しいじゃろう、食いんさい、泣きんさい」
ってどこの方言だかわかんないけど、そんなこと言いたげな顔して。
違うっつーの!

午後、新宿にてフミヤライヴ編集。
地道に続けてきた作業ももう残り5曲。
思えば長い道のりであった。
羽賀ちゃん、がんばろうぜ。

途中、編集を抜け出して新宿高島屋HMVへ。
歩いていったんだけど、さみいな今日は。
NTTドコモのバカ高いビルがエンパイヤステートビルに思えるほど
の寒さ。堤カントクは元気だろうか?

どこかになくしてしまったクラッシュの「SUPER BLACK MARKET CLASH」
同じくクラッシュ「サディニスタ」LPしか持ってないんだった。
THEピーズの復活アルバム「THEピーズ」
購入。
ピーズは販促用のCDもらったんだけど、やっぱりこれ買わないと
ハルに印税入んないしな。

夕飯のカレーを食べたら急に具合が悪くなり、編集は22時で切り上げ。
なんだろう?
別になにかに当たったわけじゃないんだけど。

中島らもさん、見せしめ?わかりやすいことすんなよ、警察、ばあか!

俺もマツモトに業務連絡。
「30代が聴く〜RCサクセション篇」
アップよろしく!



2003/02/05(Wed)


[ なにかと・・・ ]

昨日は夕方学校のロケを終えてフジTVにて岡本健一部分の撮り、
その後品川イマジカにて「14歳の国」予告&タイトルバック編集、
家に戻ってこの3日間まったく手がつけられなかった他の仕事の整理。
の、途中で記憶を失う。
起きたらしっかりベッドにいた。
それにしてもものすごい濃度の3日間だった。
とても良い素材が撮れたと思う。
これからさらに濃い仕上げの作業が待っている。

今日。2月4日。
午後からフジTVにて打ち合わせ。
まだ骨子が固まらない、ふんわりとした打ち合わせ。
終了後、2Fの食堂「ラポルト」でカレーそば。
ここのカレー蕎麦は美味い。刻みネギを大盛りにしてもらうと
さらに美味い。温泉たまごを入れるとさらにさらに美味い。

夕方からフミヤライヴの編集。
途中でなぜだか猛烈に甘いものが食べたくなり
土田Pにお願いする。
20分後、新宿高島屋で土田Pが買ってきたやたらと高級感をアピールするケーキ、ちょっとどうかと思うほど手触りの良い和紙に包まれたドラ焼き、なんだかわからない形状の高級和菓子らがスタジオにあふれた。
美味かった。

夜、スチャダラパー・シンコ氏から新たな音を仕上げたとの連絡。
これでもう15曲くらい。
しかもどれもこれもやたらと良い。
仕上げが楽しみ。

夜中、資料読み。



2003/02/04(Tue)


[ 三日分。 ]
2月1日。
今日からいよいよ「14歳の国」本番。
前日深夜のセット下見で全4話の大まかなイメージはできた。
2時間ほど眠って砧スタジオに向かう。
今日、明日、あさってと合わせてもおそらく5時間寝れたらよいほう
だろうが、僕の他人に誇れる数少ない特技のひとつが
「寝てなくても大丈夫」なのでたぶん大丈夫。
車で向かう途中J−WAVEでパーソナリティが(もうDJっていわないなあ、確立したなあ、DJ。)
「太陽に向かって口を開けて喉の奥に陽を当てる健康法」というのを
紹介していた。信号で停まったとき、さっそくやってみる。
うんうん、なんか良いんじゃないか。

9時、撮影開始。1話から順番に。
今回からカメラ、照明スタッフが変わったので
感触をつかんでもらうために1話トップシーンはじっくりと。
セットに入ると役者は変わる。
今回の役者陣の中では光石研さん、よゐこ濱口くんのふたりが
稽古で悩んでいた。おそらく普段のメインの仕事の映画やバラエティ
とはあまりにも違う環境のせい。
ところが
セットに入って動き始めたとたん、稽古でうまくできなかった部分が
ガラリと良くなっていた。

自分。稽古では芝居に専念できるが、本番はそうはいかない。
稽古で作った芝居を映像にするためにいっぱい色んなことを
考えなくてはならない。つーか、ありとあらゆるスタッフに
自分の考えていることを説明しなくてはならない。
これが苦手だ。なんで自分がこの仕事をしているのかわからないくらい
苦手だ。でも、当たり前だけど一人じゃなんにもできないので。

スタジオでドラマを撮る場合、ある程度決められたシステムというか
ルールのようなものがあるんだけど、今回はそれを一切無視。
正直言ってかなり、というかとんでもなく「非効率的」。
でもそこからしか生まれないものがあることはウチの師匠から
たっぷりと教わったし。つーかそのシステムやルールこそが
おかしいんだよ、でもそっちからしか生まれないものもあるんだよな。
なんなんだよ。

三宅健。しかしこの男のヒトナツッコサはすごい。
なんつーの?豆柴?あんなカンジ。
放っておいても大丈夫なんだけど色々構いたくなってくる。
今回は頑張っている、本当に頑張っている。
細かいセリフや表情や間の取りかたや相手の動きに対する自分の動き
など色々なことを何度も何度も確認しくる。
「ああ、そっか、そっちもあるなあ」と思う鋭いアイデアを
どんどん出してくる。

原金太郎さん。オリジナル舞台と同じ役ということもあってか
まったく揺るがない。セリフも動きも完璧。
今回はほとんどお目付け役。テストと本番の間、
役者たちはいわゆる「待ち」の状態になる。
今回はセットチェンジ(1セットなんだけど多方向から撮るので壁の取り外しが多い)や照明直しが多いのでこの「待ち」状態が結構長い。
原さん、この「待ち」を待ちにしない。
スタジオの隅の役者陣の待ちスペースでずーーっとセリフ合わせを
していた。別に「ほら!やるぞ!!」ってカンジではなく
何気に自分のセリフを読み始める。他の役者も合わせてゆく。
それを何度も繰り返す。そのおかげでテストから本番の間にまた芝居が
良くなってゆく。
「今、何待ち?」そんな言葉は嫌い。
待ってる間になんかやれよ。

・・・・・・ああ、長くなるなあこれ。
でも書きたいなあ、でも時間無いなあ、とりあえず続きはあとで。



今夜「演技者。・寿司と祭壇特別篇」。よろしくお願いします。
「14歳の国」の予告も少し流れます。
是非ご覧ください。


2003/02/03(Mon)